健康増進ニュース総集編


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33.発熱と発汗を考える

漢方では熱には「実熱」と「虚熱」があると教えています。
「実熱」とは風邪を引いたりしたときになどに出る、いわゆる一般的な熱です。
こうした熱は、体温を上げることによって、ウイルスを死滅させやすくしたり、代謝酵素の働きを活発にしたり、して早く病気を治すのに役立ちます。
熱を上げたいのに熱が出ない場合には「麻黄」などが良く使われます。麻黄は葛根湯、麻黄湯、小青竜湯などの処方に配合されています。
「麻黄」には交感神経を緊張させる作用があって、体温を上げる、汗をかかせる、ために用いられます。体力のある人は麻黄の入った漢方薬がよく合います。
若い人はスポーツで汗を流すだけで、初期の風邪なら簡単に冶ります。

しかし、汗をかくという作業は体力を消耗しますので、麻黄などを体の弱い人に使うと逆効果になります。肝臓が弱ってくるとサウナで汗をかくだけで風邪を引いたりします。

1974年から1998年にかけて、私はかき肉エキスの普及に注力していました。
「かき」はストレプトマイシンなどの抗生物質が無い時代には「結核の特効薬」として用いられていました。結核が「死病」として恐れられていた時代です。

結核には必ず微熱と寝汗が伴います。この微熱こそ「虚熱」と呼べるものです。体力がなくなって出る熱です。おそらく残った体の力を振り絞り、交感神経を緊張させ、代謝を高めて治そうとしているのでしょう。微熱の解消には「かき肉エキス」が役立ちます。
微熱に対し解熱剤を使用してはいけません。温性、補性の薬食を使います。

同じようなことは「汗」にも言えます。漢方では汗を「自汗」と「盗汗」に分けます。
「自汗」とは暑かったり、運動したりしてかく普通の汗です。
「盗汗」とは寝汗のことです。寝汗は微熱と同様に、体力がない場合にかく汗です。
10年以上もの間、夜中にシャツを何枚も取り換えるくらいひどい寝汗が続いている、という広告会社に勤めている男性にかき肉エキスを差し上げたことがあります。
1週間もかからないうちに寝汗が止まって、互いに驚かされました。

交感神経が緊張するとアドレナリンが分泌しますが、汗腺ではアセチルコリンが分泌して、汗腺を緩め汗を出させます。寝汗の分泌は虚の交感神経の緊張によるものです。気管支も同じように交感神経が緊張している時には拡がっています。夜になって副交感神経が優位になると気管支が狭まって喘息が出やすくなります。


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