アレルギー性鼻炎の漢方治療で厄介なのは、
くしゃみ、鼻水、鼻詰まりなどの症状がある
肥厚性鼻炎です。
この鼻詰まりは、乾燥感が伴うのが厄介です。
蓄膿症で、鼻が乾燥して鼻詰まりする場合は、
清熱滋潤(肺の熱を冷まして、潤いを与える)する
辛夷清肺湯をよく使います。
しかし、鼻水、くしゃみを併発する時に、
温肺化飲(肺をあたためて、余分な水を取る)する
小青竜湯を差し上げると、余計に鼻詰まりがして
苦しくなります。
辛夷清肺湯と小青竜湯は、
治療の方法が、ちょうど逆方向になります。
この場合は、辛い方をよく伺って、
鼻詰まり、鼻乾が苦しい場合は、
辛夷清肺湯を選び、更に鼻水がある時は、
五苓散を差し上げます。
他には、苓桂朮甘湯なども考えます。
次回は、目が痒い時について書きます。
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更新日: 2019/02/12 |
今年もアレルギー性鼻炎の季節がきました。
症状としては、クシャミ、鼻水、鼻づまり、 目のかゆみ・赤味です。 漢方では、種々の症状、そして体質によって 対処する漢方薬が変わります。 例えば、クシャミ、鼻水があれば、 通常、小青竜湯を使います。 小青竜湯は、元来、 温肺化飲(肺を温めて余分な水をとる) をしていますが、人によって 効果がうすい時があります。 それは、胃腸が弱く、 冷えた物を食べると胃腸機能が弱くなる方です。 このような方には、小青竜湯の方中の 温裏祛寒剤(体の中から温める生薬)である、 乾姜、細辛を更に弱めるものを加えます。 (例えば、人参湯、乾姜甘草湯など) そうすることで、始めて効きます。 また、クシャミは出るが、 それよりも鼻水が辛い方には、 小青竜湯には、利水剤が少ないため、 利水剤を更に加える必要があります。 利水剤の代表は、茯苓、白朮、沢瀉などです。 より温めて利水するときは、苓桂朮甘湯など、 また、より利水したい時は、五苓散など を加えると効きます。 鼻づまり、目のかゆみが併発する時は、 更に工夫が必要です。 それは、次回書きます。 |
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更新日: 2019/02/05 |