電話・メール・店頭で相談できます
お店で漢方相談 メールで漢方相談 電話で漢方相談 089-952-2030漢方相談 漢方の養命庵 中野薬局(愛媛県松山市)
  • きぐすり.com
  • ホーム
  • 店舗紹介
  • 相談方法
  • 交通アクセス
  • 健康トピックス
トップ > 健康トピックス

健康トピックス

当店の最新情報をご案内します。

これまで花粉症による、また長引くことで起こる慢性鼻炎や蓄膿症による鼻水、鼻づまりに関して書きましたが、まだまだ使える漢方薬はあります
ありますが、効能効果にそれらが書かれている漢方薬ではないため、書けませぬ

花粉症というのは水毒といって過剰にたまった水が悪さをしていると考え、水をさばく漢方薬を使います
過剰になっている原因をつきとめて、そこを治してあげたら、その結果、花粉症による鼻水、鼻づまりなどの症状が自然ととれている
これが漢方薬の力なのです

例えば、お腹が冷えて胃腸の機能が悪くなった場合、下痢する人もいれば、便秘になるという人もいます
お腹を温めてあげれば、下痢は止まるし、便も出るようになります

今、私の母は病院に入院してますが、便が出ないということで下剤を飲まされてるようで、でも飲んでも夜中に酷い腹痛が起こるだけで便は出ず、便が出ないからとさらに強めの下剤を出されるも、酷い腹痛があるだけで便は出ない
下剤というのは体を冷やすんですよね
排便する力も衰えている上に冷やすもんだから当然出るはずもなく・・・
こういう場合はお腹を温める漢方薬を飲ませたら便は出るようになります
腹痛など起きないように自然に便を出させるのが上手いやり方です

現代医学的につけられた効能効果の範囲だけで漢方薬を使っていると、おそらく漢方は衰退の一途を辿ることになるでしょうね

花粉症などのアレルギー性鼻炎が長引くことから慢性鼻炎や蓄膿症などになることがありますが、その蓄膿症の効能効果を持つ漢方薬に半夏白朮天麻湯という漢方薬があります

半夏白朮天麻湯といえば、胃腸が弱くて頭痛やめまいがする人に使うというイメージが強いかと思いますが、鼻にも作用することが認められています
そのおかげで鼻づまりにも効きますよと堂々と言えます

とは言ってもどんな鼻づまりにも効くというわけではなく、やはり条件が必要になってきます

半夏白朮天麻湯というのは、胃腸虚弱が基本で、胃腸が丈夫な人には使えません
食欲がなく、食べる量も少なく、食べれたとしても身につかないため、体は細く、見るからに栄養状態が悪い

胃腸というのは食べたものを消化吸収して気・血・水を作り出し全身に運ぶ働きをしますが、胃腸が弱いとうまく機能しません
水の動きが悪くなると、停滞して過剰にたまってしまいます
水も長く停滞していると痰のような粘性を持ったものへと変化していきます

半夏白朮天麻湯は特に胃腸の働きが悪く、水の動きが悪くなったのが原因で起こる症状に使います

水というのは重たい性質なので下へと向かいます
なので半夏白朮天麻湯の効く頭痛は、重く感じる頭痛になります

そして、水は静かな状態だと何の変化もないですが、ちょっとした振動でゆらゆらと揺れ動きますが、この水の揺れがめまいとなって現れます

さて半夏白朮天麻湯の効く鼻水、鼻づまりですが、サラサラした透明な鼻水のこともあれば、白濁したもの、黄色の少し粘っこい鼻水のこともあり、特に鼻水のタイプは決まってません
体の中の溜まった水の状態によって変わりますが、荊芥連翹湯や辛夷清肺湯を使うような強い炎症はない状態に使います
そして自力で排膿させる力がないような方です

胃腸が弱い、そして鼻水、鼻づまりとともに頭が重く感じるようになったというのが半夏白朮天麻湯を使う重要なポイントとなります

問診するときに鼻の状態だけ聞いてたら、この漢方薬はまず出てこないですね

花粉症、つまりアレルギー性鼻炎が長引くことで、慢性鼻炎や蓄膿症になることがあります
鼻づまりや膿のような粘っこい鼻水が出るのが特徴です

このような状態に荊芥連翹湯を使うことがあると前回の記事で書きましたが、それよりもさらに酷い状態

つまり鼻の中が乾いて湿ることはない完全に干乾びた状態
そして鼻の中が熱を帯びて熱く感じる
痛みすら出てくる
そして鼻をかんで出るとしても黄色・・・いや緑色も混じった膿性のものが出る
何食べても味がわからなくなる

ここまで熱化が進んでると、もはや荊芥連翹湯では厳しい
ここで出番なのが辛夷清肺湯
黄芩・山梔子の清熱剤に、さらに強力な清熱作用に加えて滋潤作用を併せ持つ知母・石膏、そして滋潤作用のある百合・麦門冬・枇杷葉などの力により、熱を冷まし干乾びた状態に潤いを与えて治していきます

辛夷清肺湯単独で上手くいけば良いのですが、そう上手くいかないもの
辛夷清肺湯には排膿作用のある生薬が含まれていないので、排膿作用のある漢方薬を加えたり、鼻以外の体全体にも着目して他の漢方薬を加えるなどの工夫が必要になってきます

慢性鼻炎や蓄膿症の症状は、鼻づまりや膿性の鼻水が出たりします
花粉症、つまりアレルギー性鼻炎が長引くことでもそれらを引き起こしてしまいます

この段階までくると小青竜湯や葛根湯加辛夷川芎を使うことはなくなります
何故なら、これらの漢方薬は温めて余分な水を外に追いやる漢方薬だからです

炎症が長引けば、その熱で水は蒸発させられ、水は不足しがちになります
膿のような粘っこい鼻水がその表れともいえます
このような状態に小青竜湯や葛根湯加辛夷川芎で発汗させて水をさばこうとしてもさばく水がなく、水が枯渇して炎症を助長させるだけになります

炎症の度合いが強い場合は黄連解毒湯などの清熱剤を使いたいところ
だがしかし、黄連解毒湯などの清熱剤は熱化を抑えると同時に乾かしもするため、膿のような粘っこいものが出ている場合に使うと乾かしすぎて逆に熱化を助長させることになります

なので、乾かすのを防ぐために黄連解毒湯に四物湯を入れた温清飲という漢方薬に、膿を排出する桔梗、白芷などを入れた荊芥連翹湯を使うことになります
ただし、荊芥連翹湯の中の黄連解毒湯の生薬量が少ないため清熱という点においては心許ないため、炎症の度合いがより強い場合に荊芥連翹湯を使うとするなら、荊芥連翹湯に清熱剤を足すか、まずは清熱剤で熱の勢いを少し弱めてから荊芥連翹湯に切り替えるなど工夫が必要になります

花粉症の3大症状は、鼻水、くしゃみ、鼻づまりです
鼻水は透明でサラサラしている状態が普通です
この3大症状は小青竜湯で対応できるようになっています

ただ、世の中そう上手くはいかないものです

鼻づまりにしても詰まる原因が違えば、当然効きません

小青竜湯の鼻づまりは、鼻から水が溢れ出ようとして鼻の通り道が水で塞がっている状態の鼻づまりです

葛根湯加辛夷川芎が効く鼻づまりはちょっと違います
小青竜湯より炎症の度合いが少し強く、その炎症を冷まそうと水が集まって浮腫んで鼻の通り道が狭まって鼻づまりが起こっています
炎症の度合いが強くなってきているので、鼻水は出ても熱化によりほんの少し粘りのある鼻水だったりします
出る量も小青竜湯に比べるとそんなに多くはなく、鼻水で困るより詰まりが気になって仕方がない、そんな心境です
また葛根湯がベースなので、鼻が詰まるとともに首の後ろや背中の凝りも一緒に出てきます
小青竜湯と同じで汗はかかない場合に使われ、汗をかいてる場合の鼻づまりにはやはり違う漢方薬を使うことになります
触らないと分からないくらいのほんのり汗ばんでるというのも、汗をかいてるうちに含まれるので、聞かれたら自分で触って確認してみてください

大体の人が汗というと暑いときに流れ出るような汗というイメージを持っているので、ほんのり汗ばんでるのは汗であっても汗とはみなさず、「汗かいてますか?」という聞き方だと「汗かいてません」と返ってきます
ここら辺は問診の仕方を工夫しないと聞き出せないんですよね

ちなみに葛根湯加辛夷川芎の効能効果は蓄膿症や慢性鼻炎、鼻づまりであり、花粉症、つまりアレルギー性鼻炎に関して効能効果を持ってません
ここで書いた鼻づまりは、アレルギー性とか関係なしに、ただ鼻がつまってるということに関して書いてます