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暑過ぎた夏もようやくトーンダウンして、過ごしやすい日が増えました。このタイミングで夏の疲れを回復させ、きたる冬への備えもしっかりとしておきましょう。
昼間は汗ばむ陽気でも、朝晩は気温が下がります。そしてジメジメした夏とは違って、乾燥も気になりはじめました。

秋の過ごし方のポイントは、寒暖差と乾燥への備えです。
体の表面は衛気(えき)と呼ばれるバリアによって守られており、外からやってくるカゼや乾燥などの邪気が体に侵入するのを防いでいます。
衛気の充実した体表は、適度な潤いがあってなめらかです。肌から粉が吹いたり吹き出物が出たり、また鼻・喉・目などの粘膜にトラブルがあるのは、衛気の働きが不十分なことを意味しています。
衛気が充実していると、美容にいいのはもちろん、カゼをひきにくく、また寒暖差にも振り回されません。

体の表面を保湿剤で物理的に潤わせることももちろん必要ですが、体の中からバリア機能を高めることをやってみましょう。衛気を作るには胃腸の力が大事ですし、衛気をめぐらせるには日頃のストレスケアが欠かせません。
消化器をいたわる丁寧な食事、できているでしょうか。秋が旬のきのこや根菜、戻り鰹に秋鮭など、ぜひ味わってください。胃腸の疲れやなんとなく不調という自覚があれば、蒸す調理がおすすめです。栄養はそのままに、あたたかくいただけて余計な油を取り過ぎないことは胃腸にもプラスです。そしていいものでも、摂り過ぎてしまっては逆効果。食べればいいというわけではなく、適度に胃腸を休ませることも大事な養生です。不調やカゼの入り口であれば、食べずに寝るだけで治ってしまうことも。
ストレスケアの方法は人によって様々ですが、入浴と深呼吸はマストです。入浴が習慣になっていない場合はすぐにでも。面倒と思うことがすでに不調の始まりかもしれません。お風呂に入ってさっぱりすることはあっても、ネガティブな気持ちになることはありませんので安心して入ってください。そして深い呼吸で気の流れをととのえます。
ここまでやってもまだ特別なケアが必要と感じたら、拗らせる前にどうぞご相談くださいませ。

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立秋を過ぎて暦の上では秋になっても、まだ暑さが残っていますが、秋分の日を境に夜が長くなり少しづつ涼しくなってきます。
気温が徐々に低下し空気が乾燥して、秋を感じる時期になると虫たちの合唱が聞こえ始めます。このような気候の変化は人間の五臓(肝・心・脾・肺・腎)に影響を与える存在となります。
その中でも五臓が嫌う外気のことを「五悪」といいます。漢方では「春の風を肝は嫌う、夏の熱気を心は嫌う、梅雨の湿気を脾は嫌う、秋の乾燥を肺は嫌う、冬の寒気を腎は嫌う」という外気と五臓の関係があります。

 これからの季節である秋は大腸(肺と表裏の関係)が乾燥した外気の影響を受けます。は乾燥した空気が苦手なので、空咳が出るようになります。大腸は潤いが不足し、腸内の水分が不足することで便秘気味になりやすくなります。老廃物が体内に滞留して腸内環境が悪化し、栄養素が吸収されづらくなります。また、有害物質が腸壁から血中にとり込まれ、さらに腸内環境は悪化します。
このような乾燥した時期と上手く付き合うには、体を潤す働きのある素材を使った料理を摂ると良いでしょう。さらに気を補う為に合谷というツボを押したり、復溜というツボをおして不足した陰液を補うこともオススメです。
神楽坂漢方有恒薬局
薬剤師 津島哲平

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