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彼を知り、己を知れば、百戦殆うからず。

養生も同じです。ある時期、ある季節を快適に過ごそうと考えるならば、まずはその時分のことをよく知らなければなりません。「水を飲む」という動作を一つ取っても、年中同じように行うものではなく、本来はその時期や自身の体調に合わせて茶葉などを利用してその「質」にこだわるべきものです。東洋医学の盛んだった時代は、今のように豊食の時代ではなかったため、市井の人々は少ない量でも十分な効果が得られるよう、食事や養生といったものに「品質」を求めたのです。

そしてそれぞれの時期、季節に特徴や性質があるように、その下で暮らす私たちも同じく、特徴や性質を養っていく必要があります。暑い時期には熱が発散しやすいカラダを養い、寒い時期には芯部が冷えないように、熱を内に込めやすいカラダを養います。体質というほど大げさなものではありませんが、会えて質という言葉を用いるならば、私たちがおのおのの時期、季節にあったカラダの「性質」を獲得していく上で、食生活や生活習慣の「量」にその答えを求めてはいけません。むしろ先ほど述べたような「質」にこそ求めるべきでしょう。

最も身近な毒の一つは「水」。

水の用い方には注意を払わねばならない。
正しく用いれば、水は癒し清める。
誤って用いれば、水は傷つけ濁す。
水は濁流であってはならない。水は清流であれ。

水が水毒と称される一番の点は、その水が滞っているから。自然界であらゆるものがおおきなうねりの下で巡るように、私たちの生命活動もある種の循環-ある事象が巡り続ける事-といえます。ちなみに東洋医学はこのことを二千年前に発見してました。

心臓から送り出された清い血液が全身を巡り、濁った血液が肝臓で清められ、また心臓に戻される。水も同じです。どこかで清められ、どこかで濁されます。しかし不幸なことに、私たちは体内で水を清めることはできません。それができるのは大自然だけです。ですから私たちは、絶えず清い水を口から取り込み、濁った水を汗や尿で放出しなければなりません。

朱に交われば紅くなる。濁水を体内に溜め込んだ状態では、いくら清い水を取り入れても、すぐに濁水へと転じてしまいます。そして水を最も身近な毒というのは、それが毒となるか否かが、私たち一人一人の水分代謝に左右されるからです。

ちなみに毒の反対は薬。滞りのない代謝こそ心身にとって何よりの良薬という事を忘れてはいけません。

13日の金曜日ですね。 何となく。

胡麻【ゴマ】。最近ではゴマに含まれるセサミン、リノール酸などの不飽和脂肪酸を中心として、その働きに注目が集まっています。胡麻は食品としてのイメージが強く、様々な形で用いられます、それは漢方の世界でも変わりません。

胡麻はその油分が特徴的なように、潤いを与え保つ作用、即ち体内の陰分を補う作用があります。漢方の外用薬-紫雲膏や太乙膏、中黄膏などには全て胡麻の油が配合されており、皮膚の血行を促したり、肌の湿潤するために用いられます。また内服薬では「消風散」に配合されています。消風散は分泌物の多い慢性湿疹に用いられますが、胡麻はやはり潤躁に用いられます。

また胡麻には栄枯盛衰を司る腎を補う作用があるとされ、特に黒胡麻はその働きが強いと言われています。胡麻でよく耳にする抗酸化力もこの補腎、特に陰分の滋養と深く関わることです。黒い食材は補腎に良い、白い食材は補肺に良いというのが漢方の考え方ですが、この考えによれば、胡麻の中でも白胡麻は肺に属する皮膚や大腸に良いと言えます。ちなみに、一節によれば胡麻は「油を取るには白いものが適す、服食には黒いものが適す」と言われています。

梅雨時期のポイントは水分代謝を整えること。

水浸しにならぬよう道路には側溝が設けられています。同じくして、体内が余分な湿気で満たされないよう、梅雨の時期は脾の滋養に努めることが必要です。水分代謝を司る臓腑の中でも、脾は食事や飲料の受け皿として、特段の働きを果たしています。体内の水分代謝の半分はこの脾の働きにかかるといっても過言ではありません。

脾の働きは温かい環境の中でスムーズに動く性質があります。(ちなみに、栄養分や水分を全身に運搬することから運化と称されます。)即ち滋養のポイントのひとつは「温める事」。また甘味には弱った脾の働きを滋養、健脾する働きがありますから、甘味を帯びた食材を温かい状態で食すことは、弱った脾胃を立て直す上で非常に有効な方法です。

しかし、ここでいう甘味とは自然の甘味であり、砂糖など人工的なものではありません。人工的な甘味は水分を生みやすく、返って余計な負担を脾に強いるので注意が必要です。また、香り良い食材や芳香性生薬にも健胃作用があります。これに準じて用いられるスパイス類は、消化器官の回転を上げる。例えるなら、「体内に整備された側溝の排水効率を、側溝の容量を増やすことなく引き上げる」といった類のものでしょうか。市販の和漢胃腸薬が香り高いのも、この芳香性生薬を多数配合する点に由来します。

益気健脾 【食材】:穀類、芋類、しいたけ、とうもろこし、大豆
       【生薬】:黄耆、白朮、大棗など
芳香化湿 【食材】:紫蘇、大葉、みかん、玉葱、ジャスミン
       【生薬】桂皮、茴香など

以上のような食材を使い、献立を立てて、ジメジメうっとうしい梅雨を乗り切りましょう。

これからの暑い季節。宴席やビアガーデンでついついビールを飲み過ぎて、翌日は二日酔いに悩まされる…こんな方も多いと思います。そもそも二日酔いは、酒類に含まれるアルコールの代謝途中で生ずるアセトアルデヒドという毒素が体内に蓄積することによって起こるとされています。適量の飲酒ならば、この毒素は酢酸へと代謝され、二日酔いになりませんが、過ぎた飲酒で代謝が間に合わず、毒素が蓄積してしまう。この点によれば、二日酔いとはある種の中毒症もいえます。

一方で東洋医学では、二日酔いは体内に余分な水分【水毒】と熱分が蓄積した状態と解釈されます。この場合の水毒とは、飲みすぎで消化管内に水分が停滞してうまく排せずに、水分分布が悪くなっている状態をさします。またそのような方は口渇感がつきまとい、無性に水を飲みたくなる。この【口渇】と【消化管内の水滞】を目標にして用いられるのが、五苓散。しばしば「漢方の利尿剤」と称されるように、尿の出を良くして、水毒を制する処方です。加えて二日酔いの場合には、熱を清めたり、肌に生じた黄疸を清める生薬を加えた処方が用いられます。また飲酒による熱感や火照りには、黄連や黄柏のような清熱の生薬を配した黄連解毒湯がよく用いられます。

二日酔いになる前にこれらのお薬を予防的に服用して、体内の解毒力を挙げておくことも有効です。お酒は百薬の長と言われますが、飲み過ぎは百害あって一利なし。適量を心掛け、うまく付き合っていきましょう。


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