中医学でいう「腎」とは、西洋医学の腎臓だけを指すのではなく、成長・発育・生殖・老化など生命の根本をつかさどっている臓器と考えます。
もちろん生殖能力と最も深いかかわりのあるのも腎です。子宮、卵巣といった生殖器の働き、ホルモンバランスなど、妊活に欠かせない機能は、すべて腎によってコントロールされています。
もともと遺伝で腎のエネルギーが不足している先天的なことや、不摂生や加齢などの後天的なことによって腎の機能が低下してくると不妊傾向になります。また腎の中にも腎陰と腎陽という2つの働きがあり、陰は物質的なもの、つまり卵胞の発育に必要な栄養や潤い、子宮内の血液や粘液、女性ホルモンなどにあたります。一方陽は子宮・卵巣の機能や、黄体ホルモンなど温かさを保つ力、妊娠力と考えます。
妊活では、腎陰・腎陽のバランスを取りながら、腎の力を補っていくことが重要になってきます。腎の力を充実させるには植物性の漢方薬だけでは足りない事もあるので、動物性の漢方薬も使います。
卵子の数は生まれた時点ですでに決まっています。それが初経の頃から女性ホルモンが活発になり、その刺激を受けて原子卵胞が順次育っていき、約190日かかって卵子を排卵するのです。ですから質の良い卵子が育つ体内環境を作るのも、最低6か月はかかると考えてくださいね。
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更新日: 2018/09/20 |