世界には「伝統医学」という長い歴史を経た医学がいくつもあります。有名なところでいえば、インドのアユールベーダ、ギリシャのユナニ医学など。その中でも中医学は、2000年以上の長い歴史と経験に基づいた理論的な体系を整えている「世界三大伝統医学」のひとつなのです。
中医学は漢方薬だけでなく、鍼灸治療、推拿(すいな)や気功など、いろいろな治療法を備えています。つまり、「痒い所に手が届く」治療法。これは伝統医学の中でも類をみない特徴なのです。
漢方薬や鍼灸治療なんて聞くと、中医学は民間療法のように思われがちですが、WHO(世界保健機構)でも認められているれっきとした医学なのです。すでにアメリカ、ヨーロッパでは積極的に取り入れられている治療法です。
西洋医学は解剖学や生理学といった、科学的に人の身体をとらえるのが特徴。身体の細胞レベルまで細かく診て、検査データを重要視し、その結果をもとに治療します。だから、「検査に現れない異常は病気ではない」ということになります。急性疾患、検査で分かる疾患、外科手術などで、身体に不要なものを取り除くなどが西洋医学の得意なことです。
一方、中医学は人の身体は全身が関連していると考えます。その病気がその部分だけの問題なのか身体全体のバランスの乱れが原因なのか、さらに生まれ育った環境や季節までを含め、様々な視点から病気を追及していくのです。病院の検査では異常が現れない半健康についても、自己治癒力を高めることで改善できるという考えが基本です。
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更新日: 2019/03/05 |