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子宝相談 ~実年齢よりも卵巣年齢~社会の変化に伴い、出産年齢は上昇傾向。30歳を超えての初産も当たり前となりつつあります。とはいえ中医学的には女性の身体の総合的なピークは28歳と考えられ、妊娠適齢期も24歳~30歳。そこで大切なのは、性腺軸の機能低下をいかに遅らせるかということ。逆に言うと、いかに卵巣年齢を若がえらせるかがキーポイントです。 女性が一生のうちに卵巣内で育てられる卵胞の数は限られています。年齢の上昇とともに、卵子の老化も避けられません。月経があるうちは妊娠できるという考え方もありますが、そんなに簡単な問題ではありません。主席卵胞が中身の充実した卵胞に成長できれば自ずからスムーズな排卵が起こりますが、月経から排卵までの2週間のあいだに月経困難・内膜の炎症・卵胞未成熟・多嚢胞卵巣な どが原因で排卵障害が生じるケースも少なくありません。 また、排卵後も黄体化不十分で、子宮内膜の厚さが薄くふかふかの状態でないと、受精卵が潜り込んで安着することが難しくなります。卵巣をはじめとする生殖器の働きを取り戻し、より若返らせることが急務です。冷え症やストレスは妊娠にとっても大敵で、不摂生は妊娠できる体づくりの妨げとなります。日々何気なく過ごしているつもりでも、1周期の間に体内ではさまざまなドラマが繰り広げられているのです。 さらに、人工受精や体外受精を繰り返して体のホルモンバランスが崩れている場合は、心身ともにヘトヘトになりがち。先の見えない不安に押しつぶされそうになることもあるでしょう。本人が疲労していれば、卵子も精子も疲れています。妊娠するには、心身ともに余裕が必要です。そんな時こそ、自分の体について見直しを図る時なのです。 先日、日本一体外受精成功率が高いと言われているクリニックの先生とお話をした際、「良い妊娠とは、良い精子と良い卵子の出会いである。私は一番ベストな時期に排卵し、受精させる。けれど、自然に体が選んだ卵胞の方が理想的である」という言葉が印象的でした。この条件を備えるためには、心身ともにゆとりが必要。精子と卵子がいつ出会ってもいいように、元気でストレスのない体づくりが良い妊娠・良い出産・良い子育てに繋がっていくことでしょう。 【未来を癒す漢方レッスン Vol.27より】 関連ページ
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