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薬局・薬店の先生による健康サポート
「どうしたらそんなにいつも笑顔でいられるのですか? その湧き出るような元気はどこから来るのですか? 私もそんな風になりたいです。」
そんな事を言われていた頃が嘘のように不安と自信の無さで押しつぶされそうになっている今の自分。
あのころの元気ハツラツとした自分は一体どこに行ってしまったのだろう? 甦れ! 元気な自分!
そう思ってもそこには疲れ果てて動けない自分しかいない。
少々オーバーな表現をしましたが、これに近いような人はゴマンといることでしょう。
得体のしれない不安やイライラを抱えて生きるしんどさは本人にとって本当につらいものです。
家族にも言えず、ひとり悶々と耐えている人もいることでしょう。
ここまでとは行かなくても、最近ちょっと疲れが取れないなあ、何か本来の自分じゃないような気がするという 人はさらに多いことでしょう。
ここらで、ちょっと休みませんか? 体の、そして偽らざる心の声に耳を傾ける時が今なのです。
こころ お疲れ度セルフチェック
あなたのお疲れ度はどれくらい? 思い当たる項目がどれだけあるかチェックしましょう。
- 朝起きにくい、気分も重い
- なかなか寝付けず不眠傾向、またはいくら寝ても眠い
- てきぱきと仕事をこなせず能率が落ちた。一つの事を完了するのに時間がかかる。
- わけの分からない不安や焦りがあって、おろおろしてしまうことがある。
- 無性にイライラする、怒りっぽくなった。
- 今まで楽しめたことが楽しくなくなった。興味がわかなくなった。
- 疲れやすい。疲れが回復しにくい。
- 妙にどきどきする。
- 気分がめいる。将来に対して悲観的になる
- 後悔して、つい自分を責めてしまう
- 優柔不断になった。判断に時間がかかる。
- 自分が価値のない人間に思える。
誰からも必要とされていないように思える。
12項目のうち、いくつ当てはまりましたか?
誰でも少しはありそうな事ですが、しっかり当てはまると思う事が多い人は きっと、お疲れがたまっていることと思います。 お疲れの方は今のうちに対応しましょう。
何事も早期に対応するほうがスムーズに解決できることが多いものです。
まずは今の自分の現状を認めるところからスタートしましょう。
お疲れの方へ
間違ったストレス解消法はやめよう
自分なりのストレス解消法というのは人それぞれ持っていることでしょう。 カラオケに行く、晩酌をする、温泉にいく・・・あなたがそれでスッキリし翌日以降も元気モリモリになって頑張れるならばそのストレス解消法は正しいのです。
しかし一見正しいと思われるストレス解消法も欠点があり、たとえば深酒になって翌日二日酔いでしんどかったり酒量が上がって依存状態になったりしては当然いけません。
また、カラオケ行ってその時は楽しい時間を過ごし「スッキリした」と思ってもその時使ったエネルギーが大きくて逆に翌日に疲れがどっと出るようでは間違ったストレス解消法といわざるを得ません。
疲労が積み重なって解消しないといけないストレス量が増えていると同じストレス解消法が却って悪に変わることもあるのです。
表面を取りつくろわない
もし、あなたに嫌な事が起こるとどう対処するでしょうか。
「そうだ、ポジティブシンキングだ」と思って物事をいいように解釈しようと努力することもあるでしょう。
また、嫌な事は早く忘れてしまうに限ると思って早く忘れるように努力することもあるでしょう。
それがうまくいくとそれはそれで素晴らしい事なのですが、こころに疲れがたまっている場合、その努力することがまた疲れになり、「忘れようとした事」が忘れられないということになるのです。
それでも、周囲には何事もなかったようにふるまう努力をし、事情を知っている人が心配して「大丈夫?」って尋ねられると「平気、平気!大丈夫。もう忘れた。」なんていって笑い飛ばし努めて明るくふるまおうとする。そんな事をしているうちにどんどん疲れがたまっていくのです。
自分に正直にあることが疲れた時には絶対必要なのです。
仕事にしがみつかない
疲れて休みたいと思っても、今の状況じゃ休めないし、もしここで自分が休んだら他の人に迷惑をかける。それにもし休むと言い出すと周囲の人はどんな目で自分を見るだろう。きっとこの時期に休むなんてよく言えたものだと非難されるかもしれない。君は「その程度のモノ」だったのかと評価されるかもしれない。そう思うと休むのが怖くなって仕事にしがみついてしまう。
あなたはこんな事になっていませんか。これがまた疲れをためこんでしまうのです。
ここらで、一度安心して休みませんか。
周囲の人に理解してもらい寄り添ってもらおう
自分だけでストレスを解消できないほどこころが疲れている時は家族や職場の人の理解が不可欠です。
怠けているように思われたくないだとか、自分の弱いところを見せたくないだとか言っている場合ではありません。
家族や周囲の支えや理解があってこそ 自分の味方がいるからこそ
安心して休めるのです。
こころが疲れている人が相談にお見えになられた時には家族の方にも来ていただいてお話をすることはよくあります。
何よりも家族や職場そして周囲のサポートする立場の人々があなたの味方になってこころの疲れが癒されるのです。
お薬で治そう(お疲れのレベルにあわせて)
お薬はこころのケアの有効な手段となります。お疲れの程度に応じて漢方で対応できる場合もあります。
充分な休養・周囲の人の支え・そしてお薬があなたのこころに染みついた疲れを癒してくれます。
「やる気」「根気」「元気」「気をもむ」・・・これらに通じる「気」をうまく活性化してあげることで「気合い」だけでは動かない「気」の滞りなどを改善する事ができるのです。
これらに使う代表的な漢方処方をいくつかあげておきます。
漢方処方に関しては専門家にご相談ください。
- 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
- 六君子湯(りっくんしとう)
- 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
- 女神散(にょしんさん)
- 香蘇散(こうそさん)
- 奔豚湯(ほんとんとう)
- 九味梹榔湯(くみびんろうとう)
- 甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)
- 酸棗仁湯(さんそうにんとう)
平素いろいろな人と接していると、こころの疲れが体にきて肩凝りや胃腸障害を引き起こし、そしてそれらが目の疲れや頭痛・めまい、アレルギーやアトピー、高血圧や糖尿の悪化につながっていると考えられるケースの多いことを実感します。
最近の日本人はこころが弱くなった、ストレスに対して抵抗性がなくなったといわれますが、世の中があまりにもめまぐるしく変わりすぎてマイペースで生活できずリズムを崩されてしまっているのが現状ではないかと思います。
江戸時代の漢方医・後藤艮山(ごとうこんざん)は、百病は一気(元気)の留滞によって起こるという「一気留滞論」を唱えました。もっと古い古典にも似たような事が書かれています。
十年ひと昔でなく、日進月歩の今の世ではこころの問題は無理もないのだと思えるようになってきました。だからこそ、無理せず自分のペースをとり戻して欲しいと願ってやみません。
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福田 佳司先生 -
- 1962年奈良県生まれ
- 奈良県立畝傍高校卒業
- 京都薬科大学薬学部卒業
- 明治針灸柔道整復専門学校卒業
- 元京都薬科大学講師、長尾泰爾氏に師事し浅田流折衷派細野一門の漢方を、セミナーなどにて伊藤清夫氏らより古方を矢数道明氏らより後世方を学ぶ。
- 経絡治療学会に参加して経絡針治療を研修し、谷口中庸氏に師事して針灸奇経療法を学び、平成9年 地元奈良にて開業し現在に至る。