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前回に掲載した今日の一言(1月27日)/水が絡む春風邪には青龍リンク
で紹介した青龍湯(小青龍湯)。名前も相まって、実はなかなかに攻撃的な漢方薬。
そうした攻撃力の高さも、青龍という名が与えられる理由の一つかもしれません。

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小青龍湯の本分は、寒邪を攻め、風邪を払い、水毒を除く。

寒邪を攻めるということ。
麻黄や桂皮といった構成生薬は、からだを温める作用を持ちますが
そのターゲットは襲ってくる寒邪。寒邪を攻めて追い出すのが目的。
冷えを治すのが目的ではありません。

風邪を払うということ。
興奮剤としての側面もある麻黄。薬効の切れ味が優れる反面
身体への負担も大きい。なので、これを用いて風邪を払うのは、
それ相応に急を要する場面という事を念頭に置きたいところ。

水毒を除くということ。
麻黄は、風邪や寒邪に襲われることで生じた水腫を
発汗・利尿を通じて、体外へ捨ててくれます。
それは寒邪を追い出す上でも有利ですが
あくまでも水腫に対する攻撃の手段。度が過ぎると
水毒だけでなく、からだの液体(体液)まで傷つけます。

また一方で、ターゲットは風邪・寒邪が招く水毒という点がポイント。
なので本来の用途としては、突発性・急性のものに適している。

風雲をつかさどり、恵みの雨をもたらすのが四神の青龍。
青龍がつかさどる東方と相まって、運や吉兆を呼び込むとされています。

対して、冷たい風雨をもたらす風雲を晴らすのが漢方の小青龍湯。
良いものを呼び込むというよりも、悪いものを追っ払うのが本分。
その特性から、症状が軽微な早期に服用する方が効果的なのは確か。
だけど、予防服用を繰り返すことにはいささか注意が必要。


前回に掲載した今日の一言(1月24日)/花粉症にも葛根湯か?リンク では、
花粉症も風邪症状の一つだったら、葛根湯に出番はあるのか?
といった話を繰り広げました。結論としては
有用なのは確かだけど、服用するタイミングがなかなか難しいという話。

そんな葛根湯に代わり、注目されるのが青龍湯。
小青龍湯がもっぱら有名ですが、大青龍湯も存在します。

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小青龍湯については、きぐすり.com内の
漢方薬名の意味:小青竜湯リンク
でも、詳しく紹介されています。
水の滞り・氾濫を伴う風邪症状。例えば
流れる鼻水や噴出する涙、それに伴うくしゃみや痒み。
そういった症状に対する小青龍湯の薬効が
河川(流水)に住み、風を操る青龍を象徴しています。

ちなみに、東方を守る青竜の色は青色で、
これに小青龍湯の構成主薬である麻黄の色(青緑)をかけている
という説もありますが、この麻黄は葛根湯にも使われています。
ただ実際のところ、先に述べたような
水を利する薬効は葛根湯にはなく、小青龍湯が持つので
その点でも、青龍を冠するに相応しいと言えるかと。

名は体を表す。名前がその本質を明らかにする。
青龍という名の本質がわかると、小青龍湯は重宝します。


昨日に掲載した今日の一言(1月23日)/花粉症も風邪症状リンク の中で
述べたように、花粉症も風邪症状なら、果たして葛根湯も有効なのか?
という疑問に突き当たります。

結論。使えるんだけど、機会が少ない。
鼻水や目のかゆみがツライと訴えるタイミングで使っても、時既に遅し。
風邪症状は、漢方薬の選択と共に、服用するタイミングが重要になってくる。

ドラッグストアに並ぶ葛根湯。その包装には、しばしば
かぜのひきはじめに。かぜの初期に。という記載があります。
このひきはじめというのが、なかなかに厄介。

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カゼの場合は、悪寒や発熱、あるいは喉の痛みや咳症状など
多岐にわたる症状で、ひきはじめの目途をつけやすい。
葛根湯が得意とする首肩の緊張も、見極めの一つになりますし
普通のカゼであれば、ひきはじめの期間は半日~1日ぐらいあります。

対する、花粉症の場合。
くしゃみや鼻水、鼻づまり、目のかゆみなど、
症状は多岐に渡るけど、それでひきはじめを見極めるのがめちゃ難しい。
今朝から鼻水が急に出始めた、
だからこれは花粉症のひきはじめなんだ…、とはなりません。
花粉症の症状が出始めた時には、ひきはじめの時期はとうに過ぎている。
と、そのように言っても過言ではない。
またそんな花粉症だから、ひきはじめの期間は極端に短いし
本人もそれを自覚しづらい。

まとめますと。
風邪に伴うからだの変調に、葛根湯は使える。
カゼのひきはじめに伴う変調は、はっきりしている。
はっきりしているからこそ、服用のタイミングを外さす
本人もよく効いたという体感も得やすい。

花粉症の出始めに伴う変調は、はっきりしない場合が多い。
はっきりしないから、服用のタイミングがつかみにくい。
そしてはっきりと発症を自覚したタイミングは、時既に遅し。

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冬カゼ(感冒)と同じく、花粉症も風邪症状、
風邪によって引き起こされる病という側面があります。

冬カゼが冬の風邪で引き起こされるとすれば
さながら、花粉症は春に吹き荒れる風邪で起きる、といったところ。
実際の治療でも、冬カゼに用いる漢方薬が
花粉症にも効果がある訳で。

そんな風邪を伴う花粉症ですが
症状を誘発、場合によっては増悪
させたりするのが寒邪や熱邪。
各々はその名の通りに、人のからだを
寒さや暑さで害する性質をもちます。

風が吹いて寒くなる。あるいは冷たい風に刺激される。
すると、からだは水分が滞ったり、迫り出したりする。
そうして例えば、水っぽい鼻水や涙、くしゃみが出やすくなる。

風が吹いて熱くなる。あるいは熱い風に刺激される。
すると、からだは腫れたり、潤いが損なわれたりする。
そうして例えば、強いかゆみや炎症、発疹、どろっとした鼻水が出るようになる。

花粉アレルギーの影響で
からだは、寒締(かんじめ)たり、熱立(いきりたつ)たりと
なかなか賑やかな事になっているという状況。


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2月から本格的なシーズンに突入する花粉症。
今年の花粉飛散は例年よりも早く、
飛散量も大幅に増加する見込みといった発表も。

そんな花粉症ですが、実際の症状は
花粉アレルギーの強度と共に
そのアレルギー反応を増幅するからだの状態
例えば症状を発する粘膜の状態、あるいは
体内に停滞した毒素・老廃物などに左右されます。

例えるなら、アレルギーの強さと
それを症状に転化するからだの状態という
2つの掛け算で、実際の症状が決まる。

片や、抗アレルギー薬を用いてアレルギー反応をコントロールすることは可能ですが
生体の反応である以上はそれを完全に抑え込む、ゼロにすることっていうのは難しい。

またそうしてアレルギー反応を十分に小さくしても、実際は
からだの状態いかんでは、症状の増幅、激化を招くことに。

・・・と、そういう風に考えると、アレルギー反応は火付け役で
その火を大きく、燃え上がらせているのは自らのからだ自身。
またその状況が、次々に飛び火を招いているっていう有り様。



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