皮膚が痒い場合の漢方薬は清熱剤をいかに上手に使うか、という点に尽きます。
しかし時に胃腸に注目すると良い結果が出ることがあります。
五行説によると脾胃は肌肉・四肢と関連が深いことがわかります。アトピー性皮膚炎に代表される皮膚の痒みが主訴となる疾患において胃腸の不調、特に胃の不調を同時に訴えることがあります。例えば食欲にムラがある、空腹時に胃が重くなる痛むといった症状を伴う場合です。
こんな時は補中益気湯などを清熱剤と併用すると皮膚の痒み、赤みといった症状が思いのほか早く楽になることがあります。
ただ問題もあり、補中益気湯には人参が配合されており、この人参の性が温であることが使用の難しさにつながっています。清熱剤と併用するわけですが補中益気湯の量を満量使わず加減します。その量を間違うと補中益気湯の副作用が出てしまい、皮膚の痒みの増悪、血圧上昇などをきたしてしまいます。かといって少ないとその効果を発揮できません。そのバランスは人によって異なるので漢方相談って骨が折れます。