80歳代の女性。東京で独居生活。
25年くらい前から随分とお世話になった方で、電話で問い合わせてこられました。
東北関東大震災の発生した時は外出しており、地震に驚いて帰宅。
7階建ての古いマンションの上の方に住まいがあったため家財道具や大切な食器類が破損。
地震の恐怖もさることながら、数年前に亡くされたご主人と一緒に集めた大切なコーヒーカップ等を失ったことを切々と訴えられました。
症状としては常にユラユラと揺れている(大震災以後)感じがする、食欲が無く咽越しの良い水っぽい物ばかり食べている、下を向くとめまいがする、舌は白苔で覆われている、地震の時のことを思い出すととても不安で辛いので、漢方薬を服用するには何が良いか教えて欲しい。
身体的な症状だけで判断すれば典型的な水毒(胃内停水による気の上衝)と考えることもできますが、この方の場合震災によって大切な思い出の詰まった食器を失ったストレスも考慮すべき事例だと考えられます。思い出の詰まった食器を失ったストレスも大きく上記症状に影響していると考えた方が良い事例です。
この方の場合は半夏寫心湯を服用するようにお勧めした次第。
東北関東大震災の影響
長全堂薬局 (山口県萩市)
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更新日: 2011/03/24 |