夏は意外と冷えるものです。
そして夏は”こむら返り”を起こす方が結構いらっしゃいます。
大抵は元々腰や背中に歪みを抱えている方が、夜気の冷えによって足腰の筋肉ほんの少し縮み(ご本人さんは気が付かない)が生じ、その影響がふくらはぎの”こむら返り”として表現されるのです。
毎晩起こる”こむら返り”の漢方相談に悩む方はその原因を尋ねられ、
「何故こむら返りが起こるのですか?」
「色々な背景はあるとしても、夜間の冷えがきっかけとなって起こるのですよ」と私がお答えすると大抵の方は
「じゃあ温めれば良いのですか?」と仰います。
そうじゃあないんです。
確かに温める方法もありますが、それは鍼灸や按摩指圧マッサージの施術においてプロが行う方法であって素人の方が温めて”こむら返り”を治そうと思わない方が無難です。
こういった時必ず
「温めるのではなく、冷えないようにすること。自分の体温を保持することなんです。」とお話します。
これが大事なのです。
硬くなった、余計な緊張している筋肉を柔らかくする時の温度は自分の体温が最適なのです。
自分の体温を逃さないようにする事!
これが”こむら返り”治療・養生のポイントです。
またこの季節にこむら返りを起こす方の話を聞くと、寝るときは短パンにTシャツ、なんて方が多いのも事実です。
これではいけません。パジャマである必要はありませんが、素肌を外気に晒さない工夫がひつようです。
漢方薬を服用しないでもこの点を改善するだけけで”こむら返り”の予防になります。
その上で古典『傷寒論』にも「その脚を伸ぶ」と記載のある処方を服用すると良いのです。