漢方薬を悩める方達にご案内することを生業としているのですが、今夏の猛暑に負けてしまい、店頭の仕事が終わるともう何もする気が起きなく今日までブログをさぼっていました。
最近お越しになった中年の女性、お菓子工場で働くためゴム長を日常的に履いている。
足が蒸れて仕方がなかったが、最近ついに足底が腫れてただれて痛むようになってきたとのこと。
病院に行ってステロイド軟膏・消炎剤など処方してもらうが症状は芳しくない。
足底なので、歩くのも痛い、仕事にも差し障りが出て困ってしまい、長全堂に来店。
この方多少アレルギーの傾向がある(花粉症など)ことから駆瘀血作用と清熱作用を併せ持った処方を考えておりました。
漢方相談の最後に煎じ薬にするかエキス剤にするか伺うのですが、仕事をされている方は大抵エキス剤を選ばれるので、最初からエキス剤を念頭において漢方相談しておりました。ところがこちらの思惑とは裏腹にこの女性は煎じ薬を服用してみると申されるのです。かなり戸惑いました。
考えていた処方は14種の薬味から構成されており、その調剤の手間を考えると些か心が重くなり、それが顔に出ないか心配になるほどです。しかし配合されている連翹や荊艾、金銀花の効果を考えると他の処方に変更する選択肢はありません。一所懸命作りました、煎じ薬を7日分。
でもこの苦労はすぐに報われました、1週間後来店されるとニコニコしながらその女性
「浮腫みなど炎症はまだあるが、痛みが無くなった。大変有難い!」と、そして
「同じ漢方薬を続けてみようと思う!!」
そのまま煎じ薬を30日分補充されて帰宅されました。
苦あれば喜びあり、漢方相談は一筋縄ではゆきません