初冬を迎えて風邪が長引く人が増えています。
風邪の引き始めは悪寒する人、熱がいきなり高くなる人、のどが痛くなる人様々です。病院などに行って治療されるのですが、すっきりと治らずだんだん不安になります。その間皆さん共通して言われるのが「咽の異常」咳が止まらない、痰が切り難い、咽がイガイガする、といった症状を訴えられます。2週間あるいはそれ以上治らない状態が続いてから長全堂にお越しになられます。
これらの症状は基本的に鼻~咽~気管~肺の粘膜が乾燥傾向、発熱傾向にあるために起こります。ですのでこれらの粘膜を如何にして潤うようにするか、各人の体質、症状、生活環境、職場環境様々な条件を考えて色々な漢方薬(銀翹散、滋陰降下湯、麦門冬湯、荊防敗毒散、小柴胡湯、辛夷清肺湯、麻杏甘石湯etc.)を考えてご用意します。すると粘膜の乾燥感や熱感が和らぎ、咳が治まり、痰が切れやすくなり次第に出なくなり、咽がスッキリしてきます。
上記の症状はまだまだ暖房が貧弱だった頃、食生活が今ほど豊かではなかった時代の漢方の名人たちが著した古典に記載された方法・処方では解決し辛いものです。時代とともに生活環境、職場環境などは変化します。特にここ50~60年の変化は劇的です。その変化に対応した漢方薬の運用が大事なのです。