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50歳代 女性 (過敏性腸症候群 腹痛型)
数年前にお腹全体が痛くて、病院でいただくブスコパンなどが一切効かない方をお世話した。その腹痛が数回お送りした漢方薬で完治したが、以後時々同じような痛みが襲ってくる。1年に一度くらい。この暮れも同じ痛みが襲ってきて病院の治療を受けたが効かない。そこでいつもの漢方薬を所望されお送りしたが、薬が残った状態で完治。
病院の痛み止めが全く効かず、漢方薬ですぐ治る。単純な痛み止めでなく自律神経を整えて痛みを解除する漢方薬だから効くのだろうか。

10歳代 女性 (過敏性腸症候群 ガス型)
> 過敏性腸症候群ガス型で以前漢方を処方して頂いた〇〇と申します。
> お薬飲まなくても調子が大抵良かったのですが、最近おならや排便が気になるようになってきました。
> また調剤をお願いしたいです。
> 私事ですが漢方に出会ってから薬の凄さに気づき、春から〇〇の薬学部に進学できることになりました!
> ヤマト薬局さんに漢方をお願いしてなかったらまだ志望校などに悩んでいたと思います。感謝でいっぱいです。


 貴女の健康と、人生の選択に少しでもお役に立てれたみたいでとてもうれしいです。特に新しい年になって初めて漢方薬を送る人が、素晴らしい報告をくださったので、なにか僕にも良いことが起こるような「錯覚」に陥っています。
 実際には僕らはもう退場の準備をしている世代ですから、自分の身の上に良いことが起こることなどほとんどありません。こうして、よそ様の幸運のおすそ分けを喜ぶ程度です。
 不思議なことに毎年のように貴女のように薬学部に行ったり、医学部に行ったりする人の報告を受けます。恐らく20数年それが途絶えたことはないと思います。考えてみれば、貴女が陥ってしまった過敏性腸症候群は、繊細な方のみが落ちる青春の落とし穴です。ただし、その繊細さは、受験の上では大きな武器です。繊細でないと、問題は解けませんからね。この裏表こそが、多くの青年を医療系の大学に導いている理由だと思います。
 ぼくは薬科大学では超劣等生でした。親の跡を継ぐと言う半世紀前では結構ありえた単純な道で選んだ大学です。入学後のモチベーション維持に苦しみ、薬学以外の勉強?ばかりしていました。貴女は僕との縁で、漢方薬の力を体験することが出来ました。それもメーカーが作った製品ではなく、薬局製剤と言う、昔から薬局に特別与えられた薬を作る免許で作られたものを。薬剤師って、こんなこともできるのかと小さな発見もあったのではないでしょうか。
 現在の6年制の薬剤師は、実地の医療現場で貢献できる知識をいっぱい教わります。僕などその分野の知識は全くありません。6年間の勉強は大変だと思いますが、くじけそうになったら、将来貴女の前に立つ患者さんの姿を想像して乗り越えてください。「誰かのため」の力を、僕は牛窓に帰って初めて実感しました。あれだけ頭に入らなかった漢方の知識が、薬局に相談に来てくださる人ができてからは、無尽蔵に入ってきたのですから。これが身に着けば、僕みたいに4年制の大学に5年も行くことはないですから。
 良い年になりそうですね。嬉しい報告をありがとう。今日作って送りました。

ヤマト薬局

 今「やまと」が見直されているそうだ。朝のNHKの番組で衝撃的なタイトルに誘われてつい見入ってしまった。やまと、日本 奈良がキーワードだった。
 奈良と言えば大仏と法隆寺と春日神社と奈良公園の鹿。誰もが知っている名所で、僕も数回ベトナム人を連れて行ったことがある。ただそれ以外には知識も興味も広がっていない。番組を見て、その奥深さが分かり、我ながらなんて浅学なのだろうと思った。
 番組の紹介ができるほど、内容を具体的に覚えていないが、いくつかの疑問、いや、もう何年も前から抱いていた疑問に又火が付いた。と言うのは紹介されたある場所が「6世紀に大陸から仏教が伝来した最初の場所」と言う場所だったのだ。
 6世紀に、なんで大陸から人が来ることが出来たの?どんな船を作り、水平線の向こうに島があることが分かって船出したの?何日で着くかつかないかわからない所に行ってみようと思ったときに、どのくらいの食料を積んだの?何語で未知の土地に降り立って話をしたの?狂暴な人間たちと遭遇するとは考えなかったの?帰る道(航路)が分かるの?
 牛窓の本町から前島までは、距離で言うと200メートルくらいか?そこを自分で渡れと言われても、なかなか渡る手段を自分で作ることは難しい。ホームセンターに行き、木と工具とを買ってきてでも、僕の不器用さでは難しそうだ。丁度瀬戸になっていて、深くて流れが急なことでも知られているから、人力ではなおさらだ。僕が幼いころ、そこを泳いで渡ろうとした人が、岸からほんの10メートルくらいのところでサメに襲われ死んだらしいから、泳いで渡る勇気もない。
 いま調べたら6世紀とは大和朝廷のころの話らしい。僅か1500年前の出来事みたいだ。これもまたイメージできない。僕が生きたたった20倍から30倍の時間だけでこんなに発展したのかとそれもまた不思議でならない。1500年前にどんな格好でどんな家に住み、どんな暮らしをしていたか知らないが、それからわずか1500年で、空を飛び宇宙に出かけ、コンピュータで一瞬にして世界の人と交流できるようになった。あまりにも発展に加速度がついてしまったから、時の流れが実感としてつかめなくなっている。もはや時は流れるのではなく、羽を得て飛ぶようになったのだ。
 正月の夜、何もない夜、エアコンの渇いたモーター音だけが時に抗う。
やまとは見直されても、ヤマト薬局が見直されることはない。


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