誠心堂薬局船橋店 関根です。
今回は、生活のちょっとした改善が、妊娠体質になっていくといいなということを話したいと思います。
東洋医学の考え方の中には、「子午流注(しごるちゅう)」という、時間医学的な体の働きと時刻の関係をあらわしたものがあります。
その時間帯にふさわしい過ごし方や養生でホルモンのバランスを整えていくことで妊活にも役立つはずです。
子午流注の「子午」とは時刻のことで、日本の古時刻・十二時辰と同じく、24時間を2時間区切りで分けて十二の干支を割り振ったもので、「流注」とは各臓器を活発にするために順番に巡っている、血液とエネルギー(気)の流れを指しています。
細かく時間を追っていくと、
・23時~1時 子(ね)の刻 『胆の時間』
胆汁の生成・分泌などの新陳代謝が最も盛んな時間です。
子の刻は、通常、眠りが最も深くなります。
体の様々なところを修復する成長ホルモンが多く分泌されており、この時間にしっかり寝ていると、翌日の元気につながります。
そのため、この時間まで起きていることが多いと、肝臓や胆嚢の病気にかかりやすかったり、胆石などもできやすくなります。
・1時~3時 丑(うし)の刻 『肝の時間』
肝臓が排毒・解毒・老廃物の処理等を行い、浄化された血液を生成するピークの時間帯です。
加えて、肝臓の再生能力が最大限に発揮される時間帯でもあります。
この時間も起きていると、汚れた血液が巡りやすくなり、色んな病気の原因にもなります。
肝臓の血を貯えたり気を巡らす働きがうまく行かず、だるさや冷え、イライラ、生理不順などの症状が起こりやすくなります。
・3時~5時 寅(とら)の刻 『肺の時間』
徐々に浅い眠りになっていき、体が静から動へと変化していく時間です。
目覚めに向けて、前の(肝の)時間に浄化された血液を、呼吸とともに全身に送り込みます。
肺機能が弱っていたりすると、この時間帯に咳・痰や喘息発作、痒みやアトピーなどが発症します。
・5時~7時 卯(う)の刻 『大腸の時間』
肺から送られてきたエネルギーによって大腸の働きが盛んになる時間です。
水分の吸収や排毒作用も活発になるので、この時間にしっかりと起きて排便するリズムを作ると、日頃の便通も整ってきます。
腸の蠕動運動は、ストレスにとても影響をうけやすいので、朝はこの時間に自然に目が覚めていくと良いです。
・7時~9時 辰(たつ)の刻 『胃の時間』
胃がいちばん元気に働いて、消化が盛んになる時間帯です。
大腸の時間に老廃物を排出したあとで、次の時間にきちんと食事をとって、しっかりと栄養を消化し吸収することで1日の活力を得ます。
できるなら食事は、温かい和食などがおすすめです。
また、食事をとらなかったり、軽い飲み物のみの生活が続くと、胃の機能が低下したり、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などにもかかりやすくなります。
・9時~11時 巳(み)の刻 『脾の時間』
脾は、消化器全般をさします。
消化や吸収が進んで、体全体に栄養物質や水分などが最も巡り運ばれます。
気血がいちばん養われている時であるので、仕事などに集中するにはよいです。
この時間帯は、冷たいものなどをたくさんとって脾の働きを悪くさせないようにしたほうがよいです。
・11時~13時 午(うま)の刻 『心の時間』
心臓の血液循環を行うポンプ機能や、精神活動(睡眠など)が関与します。
血液が全身にしっかりと送られて、血が充実するので精神的にも安定しやすい時です。
この時間は激しい運動などは避けましょう。少し体を休めてくつろいだ時間にするとよいです。
気の合う仲間とランチタイムを楽しんだり、ちょっとしたお昼寝などができるとなおよいです。
・13時~15時 未(ひつじ)の刻 『小腸の時間』
小腸は、体にとって必要な栄養素を取り込んで各臓器や組織に送り届け、不必要なものを排泄機能をもつ臓器へと送り込みます。
この時間に吸収された栄養分の分別機能が高まります。
適度に水分をとったりすることで、栄養分がドロドロにならず、流れがスムーズになります。
この時間は動き過ぎるのは控えてください。栄養の吸収がうまく進まなくなります。
・15時~17時 申(さる)の刻 『膀胱の時間』
膀胱は、排尿と身体の体液を調整する器官です。
1日のうちで体温や血圧が最も高くなり、体力も充実しています。
しっかりと尿を出して体にこもった熱を逃すためにも、この時間のトイレは、我慢しないで行くようにするのをおすすめします。
・17時~19時 酉(とり)の刻 『腎の時間』
腎は腎臓の働きだけでなく、ホルモンバランスや内分泌系、アンチエイジングにも大きくかかわってきます。
水分代謝を主り、生命活動のエネルギーとなる精力をたくわえます。
きちんと夕食で栄養をとり、精力をたくわえて、腎に良い食べ物を選んだり、補腎薬といわれる漢方薬を飲むとよいです。
・19時~21時 戌(いぬ)の刻 『心包の時間』
心包とは、心臓を包む膜、あるいは袋のことです。
血液の循環を調整して、邪気の侵入から心臓を守る働きを持っています。
そのためこの時間帯は、軽いウォーキング等で心機能を高めるのにはよいです。
ただし、喜怒哀楽の感情との関わりも深いため、できるだけ気持ちが高ぶらないように、ゆっくりとお風呂に浸かるとよいです。
・21時~23時 亥(い)の刻 『三焦の時間』
三焦とは、体の上焦・中焦・下焦に分かれたエネルギーや体液などの運行経路と、その流れの調節機能を意味しています。
この時間にリラックスした時間を過ごすことで、1日の各臓器にたまった疲労を回収し、リセットしていきます。
就寝に向かって内臓の働きを静めていく時間でもあるので、なるべく食べ物は口に入れずに、質の良い眠りに入れるようにしていくとよいです。
このことから、例えば夜は食事が22時過ぎてからとり、睡眠は夜中の12時過ぎてから寝てという生活を長く続けていくと上記の時間に反した行動になります。
家事は朝にまわし夜10時までには就寝するというような生活を続けていくことで身体が整っていきやすくなります。
現実問題、仕事が遅くなってなかなか思うような生活ができない方もいらっしゃるかと思いますが、上記の中から少しでも参考になることがあればやってみる価値はあるかと思います。
ご参考になれば幸いです。