さて今回から、瓊玉膏とアンチエイジングについてお話したいと思います。
瓊玉膏の効能は、漢方では、『填精補髄』という言葉で説明されます。『填精補髄』とは、『精』を充填することによって、『髄』を補うことです。簡単に言うと、瓊玉膏は『精』を満たしてくれる薬ということです。
この『填精補髄』の効能は、熟地黄の働きによるものです。『瓊玉膏とは③』でご紹介したように、瓊玉膏は長時間蒸すことによって、生地黄に熟地黄の効能を付加させます。生地黄に『填精補髄』の効能はありません。長時間蒸すという瓊玉膏の特殊な製造法が、『填精補髄』という瓊玉膏の特長的な効能を作り出しているのです。
では『精』とはなんでしょうか。『精』とは、人体すべての物質の基本になるもののことです。『精』には、成長・発育の促進作用や、体の抵抗力を高めてくれる働きがあります。漢方では、老化は『精』の不足によって起こると考えます。瓊玉膏はこの『精』を満たしてくれる効能があるので、『精』の不足が起こらず、老化防止に働くのです。
以上が漢方的にみた、瓊玉膏のアンチエイジングのメカニズムになります。では、そもそも老化とはなぜ起こるのでしょうか。次回は老化について考えてみたいと思います。
瓊玉膏とアンチエイジング①――瓊玉膏は填精補髄の薬――
栃本天海堂薬局 福島店 (大阪市福島区)
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更新日: 2016/08/02 |