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あなたのココロと体のために。「園芸療法」

室内でも楽しめる園芸

土を使わずに植物を育てる ~ハイドロカルチャー~



夏本番を迎えると、猛暑が続きます。「園芸は楽しみたいけれど、紫外線がちょっと・・・」「土いじりは苦手で・・・」「毎日の水やりはたいへん。」と ためらいがちな方にもお勧めなのが、水で植物を育てる『ハイドロカルチャー(水耕栽培)』です。

『ハイドロカルチャー(水耕栽培)』とは

"hydro-"とは「水の」、"culture"「栽培」という意味です。
つまり「植物を水栽培で育てよう」というわけですね。

雑貨屋さんや園芸店の店先で、ミニ観葉植物がガラス容器におしゃれに植えこまれ、売られているのをご覧になったことがあると思います。

これらを作るには、ハイドロボール(発泡煉石)やカラーサンド(色砂)に観葉植物を植えていきます。植え込み作業や栽培管理が室内で行える上、水で栽培するので衛生的。

これからの季節にピッタリな、涼感あふれるインテリアになります。

ハイドロカルチャーを作ってみませんか?

ここでは、カラーサンドを使って、ミニ観葉を植えてみましょう。
カラーサンドの色を工夫すれば、いろいろなイメージの、あなただけの作品が仕上がります。
身のまわりにあるいろんな容器を利用することができます。
使わなくなったグラスや食器などもおしゃれな容器に早変わり。
さぁ、あなたもチャレンジしてみましょう! 誰でも、簡単に出来ますよ。

ハイドロカルチャーの作り方

* 用意するもの

  • 透明な容器
    (ガラス・プラスチック・アクリル製)
  • ミニ観葉植物
    (※ハイドロカルチャー用の苗または土つきの苗を根洗いしたもの)
  • 色砂
    (ゼオライト製の砂でない場合は根ぐされ防止のため、
     底に入れるゼオライトを少量ご用意下さい。)
  • スプーン
  • 水差し

* 手順

(1)

透明の容器に白色の色砂を入れます。


(2)

スプーンでくぼみをつけます。


(3)

くぼみに好みの色砂を入れます。


(4)

白砂をかぶせます。
砂は容器の縁に沿って入れていきます。


(5)

中央がへこんできたら、白色の色砂を足して高さをそろえます。
(白砂にするのは中央に何色の砂を入れても外からは見えないため)


(6)

水差しで砂を中央部からゆっくり湿らせます。
余分な水分は取りましょう。


(7)

植え穴を掘ります。


(8)

ミニ観葉を入れ、穴を埋め戻します。





 管理方法 
・明るい室内で育てましょう。
・水は容器の底から1/5~1/3程度あれば
 十分です。
・ペットボトルでも楽しめます。



園芸療法の現場では対象者さんや活動環境に合わせて、プログラムの内容や手順を考えています。
そのため、同じ「ハイドロカルチャーにチャレンジ!」というプログラムを企画したとしてもそのやり方はさまざまです。その方ができる作業に置き換えて工程を組んでいくからです。

以前高齢者デイサービスで行った時には、今回ご紹介したようなスプーンを使って模様をつけるのではなく、単に何色かの色砂を層状に重ね入れ、縞模様にしてしまう形にしました。そうすることで作業工程はずいぶん簡単になります。

また、できあがった作品を居室やナースステーションに飾る場合、ガラスは割れる危険性があるので、プラスティック製の容器を使用。
使用する植物に関しても毒性がないか、対象者さんに異食行為(食べ物でないものを何でも口に入れ食べてしまう行動)はないかなど、充分に検討して行います。
もちろん各自のお部屋に持ち帰って飾ることにしても施設側と相談して許可を得てから行っています。

使用する植物についての注意
ミニ観葉・・・アイビー(ヘデラ)やドラセナ、ポトスの類は有毒植物のリストに挙げられています。
        葉などを食べてしまう可能性のある方がいらっしゃる場合には避けましょう。
        ペットが食べてしまう可能性がある場合も同様で、人間に害がなくても
        小動物には有害である場合もあります。
ハイドロカルチャーに限らず、植物選びには配慮が必要です。

園芸療法だからといって、特別な園芸をしているのではなく、一般の皆さんが楽しいと感じる活動を対象者さんが無理なく、安全に楽しめるよういろいろな形にアレンジして行っています。

一般のご家庭でも、小さなお子様がいらっしゃる場合には、何でも口に入れてしまったりしますから、容器の素材・使用する植物などに配慮が必要です。園芸療法で気をつけていることと同じ要素が含まれているといえますね。



今回の方法は、あるイベントでご紹介したところ、小学生のお子さんにも簡単にできて好評でしたし、また別の研修会では、日ごろストレスの多い仕事をなさっている方(その時は看護師さんなど)にも「楽しい」「癒される」とたいへん喜ばれました。
ぜひお試しください。


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