体外受精など高度生殖医療を受けるご夫婦の数は、結婚年齢の晩婚化に伴い、増加しています。
しかし、妊娠・出産は、技術だけではどうにもならない部分もあり、何度も治療を受けても妊娠にたどり着かない方も少なくありません。
多くの方が、見落としているのが、ホルモン剤の仕組みです。
ホルモンは、体の器官や細胞に対して、ある指令を届ける役割で、それ自身は栄養源にはなりえません。
なので、ホルモン治療を長く続けると、無理して体が機能するため、子宮内膜が薄くなったり、質のよい卵子が取れなくなってくることがあります。
そういった患者さんには、子宮周辺部の血流を改善し、子宮内膜の増殖を助ける、卵巣への栄養供給を促進することなどが大切ですので、そこで漢方薬の効果が発揮されます。
【症例】
多嚢胞卵巣症候群の方。
顕微授精を今まで3回行なったが、受精卵の分割が途中で停止してしまい、移植までに至らない。
漢方薬の服用を始めて、4回目・5回目の顕微授精を行い、5回目で採卵した卵子が、初めて胚盤胞まで分割が進んだとのご連絡を頂きました。
今後は移植に向けて、子宮の健康増進の為の治療を行ないます。
妊娠・出産は年齢のタイムリミットもあります。
どちらか一方に偏るのではなく、現代医学と東洋医学の良いところを上手に取り入れるのが大切ですよ!