今回は前回の続きからです。
前回ご紹介した 絶経過渡期を更年期と呼ぶのですが、この時期、女性の体は大きな変化時期に入りますから、時にさまざまな不調や症状が現れます。
更年期の各症状に対する中医学の基本的なスタンスは、西洋医学とは大きく異なります。西洋医学では卵巣機能の衰えは女性ホルモンであるエストロゲンの低下をベースに更年期を考えます。一方、中医学では更年期とは「陰陽」の失調によってホルモンや自律神経のバランスが乱れると考えます。
「陰」を例えるとガソリンで「陽」はエネルギーのことです。「陰陽失調」には次の3つのタイプがあります。
①陰が不足する。②陽が不足する。③陰陽ともに不足する。そのタイプによって症状や治療法も異なります。
さらに、この3つのタイプには連続性があり予防が重要なのです。
この更年期に起こる、頭痛やほてり、気分の落ち込み、月経不順などのさまざまな身体や心の不調を更年期障害と言い、その症状が重く辛さが続き、日常生活が不通に送れないために何らかの治療が必要な場合を「更年期障害」と言います。
更年期のとらえ方が西洋医学と中医学では違うのですから、更年期障害の治療法も違います。
西洋医学の「不足している女性ホルモンを補充する」という治療法に対して、中医学は陰陽失調のタイプによって、治療法も予防法も全く異なります。
崩れかけているバランスを回復し、調和を取りつつ、環境への順応力を高めて、緩やかに老化していけるようにお手伝いするのです。
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更新日: 2019/09/02 |