今はこのような具体的なウィルスも分かる時代ですが、その昔はひとからひとへ感染する熱性病で、多くの方が亡くなる時代が有りました。病状から「毒素を持ち(もしくはそのもの自身が毒であり)、人を死に至らしめる外邪の存在」「それが肺から急速に侵入し、重篤な熱症状を起こす」と考えました。高熱を呈すインフルエンザが代表的疾病で、温病(うんびょう)と呼びます。清熱と解毒に働く生薬(清熱解毒薬)が必要です。清熱解毒薬を複数合わせ漢方処方とし、治療します。
その中でも今回は代表的な抗ウィルス生薬として「金銀花(キンギンカ)」を紹介します。
これはスイカズラ科・スイカズラの花蕾です。花を抜いて根元を吸うと、かすかに花の蜜が感じられることから、スイカズラの名がつけられました。
花は咲き始めが白色で、次第に花びらが黄色く変わることを「金・銀」にたとえ、キンギンカの名がつけられました。
「温病による、発熱・ノドの痛み」を抑える代表薬です。花の芳香が肺熱を散らし解毒します。寒性ですが胃を荒らしません。
(性味) 甘、寒 (帰経) 肺・胃・心
(効能) 疎散風熱、清熱解毒、涼血止痢