こんにちは。
今回は、体外受精における胚(受精卵)について話したいと思います。
体外受精では、採卵した卵子を精子と体外で「受精」させ、そのあと子宮内に胚(受精卵)を戻す「移植」をすることになります。
一般的に胚(受精卵)はグレード分けをされ、グレードの良いものから移植をしていきます。
そこで、今回胚のグレードは何を基準に決められていくのかを話したいと思います。
胚のグレードは、「形態評価=見た目」からグレードをつけています。
胚の形態評価と妊娠率には関係があり、グレードの良い胚を使用すると妊娠する可能性が高くなります。
胚は、初期胚と胚盤胞を状況に応じて移植に使っていきます。
初期胚とは、採卵後2~3日目に採取した胚のことです。
胚盤胞とは、採卵後5日後から着床前の胚を胚盤胞と言います。
初期胚は、分裂した割球の大きさとフラグメントの割合で評価します。良好な初期胚は、分裂した割球の大きさが均一で、フラグメントがないまたは少ない胚です。
※フラグメントとは、胚の中に存在する細胞質が分裂した断片のことです。
一方、胚盤胞は、内細胞塊(胎児になる部分)と栄養外胚葉(胎盤になる部分)の細胞数で、グレードを評価します。細胞数が多くて密な胚はグレードが良好とされます。
形態が良くグレードの良い胚は、染色体異常の割合が少ないと言われています。
そのため、染色体異常の割合が少なければ、妊娠の可能性が高くなることにつながります。
東洋医学では卵の質を良くするには「腎(妊娠をつかさどる臓器)」を強化することが必要です。
ただ、他にも卵子の質が悪い要因はいくつかあり、
・卵子の成長のためのエネルギーが不足
・体が弱っていて成長に必要なエネルギーを生み出せない
・卵子の成長を阻害する要因が存在する
・男性の精子の状態が良くない
などが考えられます。
要因は複合している場合がほとんどで、問診や舌診、血流、基礎体温や検査値などを参考にして、体質にあった漢方薬を飲んでもらい、弱っている部分を補っていくと卵子の質を良くしていくことにつながっていきます。
以上です。
ツイート |
更新日: 2022/06/20 |