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朝晩の冷え込みが厳しくなると風邪を引きやすくなります。

風邪を「急性上気道炎」と考えると、細菌やウイルスによる鼻やのどの炎症ということになりますが、実際には寒さや乾燥、あるいはホコリや大気汚染などによって風邪と同じ症状は起こるのです。
私はこれを”疑似風邪”と考えています。

つまり、体表にある様々な知覚神経からの情報が中枢に伝えられ、自律神経を介して身体に『防御態勢』を取らせているものです。
実際にウイルスなどの侵入は無く、あったとしても発病・発症はしていない場合、身体は皮膚を引き締め悪寒、発熱の準備をするのです。そして早々と体温を上昇させるのです。

漢方ではインフルエンザのように治るまでに何日もかかる疾患を「傷寒」、そんなにひどくならない疾患を「中風」と分けて考えています。
「中風」の中には”疑似風邪”も含まれており、そういった時にはたった一度の漢方薬で全ての症状が無くなってしまう事もあるのです。

胃や腸などの消化器官も自律神経に調節されています。
そして前回お話しした通り、自律神経は脳や脳幹にコントロールされているのです。

例えば、私たちは旅行に行ったり誰かと会っていると「便秘」になりますよね。
これは環境の変化(旅先)や対人関係が脳にストレスとして作用し、自律神経に影響を与え腸の動きが抑制され「便秘」になるのです。
当然、腸の動きが亢進すると「下痢」になったりもする訳です。

また、こういったストレス無しに日常的に便秘が続くものを「習慣性便秘」と言います。
腸の出口(肛門)には”括約筋”という筋肉があり、直接脳に随意的に(自分の意志で)便意のコントロールをしています。
つまり「ここではいかん!トイレは後で、我慢我慢!」と働く機能があるのです。

朝起きられない、朝ごはんを食べない、トイレに行く時間が無い、しかたない我慢我慢!とやっていると、いつの間にか習慣性便秘になってしまうのです。
最近では小学生(特に女子)にもかなりの割合で習慣性便秘がいるようです。

治療法は
①食事や運動を含む生活習慣を改善する
②適切なお薬(症状に合った便秘薬、便秘薬以外のもの)をきちんと服用する
ことです。

人間に元々備わっている機能を生かして、より健康な生活を楽しみましょう。

そうこう考えると”皮膚”は自律神経に支配されている最大の臓器です。
皮膚は表皮と真皮に分かれており、両者を合わせると成人で5~6kgになります。

真皮(層)には汗腺、皮脂腺などの分泌腺、メラニン細胞を含む基底層、そしてそれらを養っている毛細血管・リンパ管などがあり、これらを全てコントロールしているのが自律神経なのです。
そして自律神経は中枢神経(脳・脳幹)に調節されています。

最近お高くなっている”ブロッコリー”を思い浮かべて下さい。
表面近くの濃い緑色のツブツブの部分、これが脳(大脳・中脳・小脳など)です。
中の方の太い茎の部分が脳幹です。
気候の変化や仕事、対人関係などの変化は感覚神経を通じて大脳に届き、すぐ内側にある脳幹にも影響を与え、ひいては自律神経に作用し色々な臓器、例えば「皮膚」に症状が現れるのです。

「最近顔色が冴えない」「肌荒れがある」「シミやソバカスが増える」「痛みがある」「痺れがある」「冷える」「暑くて汗をかく」「顔が赤くなる」こんな症状も自律神経の変調によって起きているのかも知れません。

漢方薬などの東洋医学では患者を見る(診る)『望診』が重要なのはそんな理由があるのです。
相談はメールや電話でもお受けしていますが「百聞は一見に如かず」です。

やはり相談は顔と顔を見合って行いたいものです。

東洋医学は大きく「湯液(漢方薬)」と「鍼灸」に分かれます。
特に「鍼灸」は自律神経系を介した治療と言えます。

鍼(はり)は皮膚をチクっと刺して、あるいは皮下組織(筋肉など)まで刺入する場合もあります。
灸(きゅう)は皮膚に置いた”もぐさ”に火をつけたり、皮膚との間に何か(しょうが、にんにく、味噌など)挟んで”もぐさ”に火をつけます。

どちらも感覚神経(痛み。熱さ)を刺激しますが、その反応は筋肉に直接働いて「痛み」や「筋肉のコリ」を治す以外に、「血圧低下」「胃腸運動亢進」「発汗」「四肢温感」といった自律神経系の作用によって引き起こされるものです。

全身にある経穴(ツボ)や経絡(ツボの連なり)には感覚神経を介して自律神経反射を起こすスイッチがあるのかも知れません。

自分の指で全身のツボを探ってみて下さい。
何も小難しい鍼灸の本に載っているツボで無くても良いんです。
「あれれ、今日はここが凝っている」「ああ、ここを押すと気持ちいい」などという、個人の「ツボ」が見つかりますよ。

コツは易しく触ること、絶対にゴリゴリやってはいけません。

湯液(漢方薬)だって「証」が合っていれば余り苦く感じないものです。
鍼灸もそう、「気持ちよさ」は全ての治療の基本なのですから。

TVや雑誌、マスコミなどでよく見かける「自律神経失調症」という病気、これ程いい加減な病名はありません。
何故なら、自律神経は身体の全ての臓器の動き、各種のホルモン分泌、生体機能の調節に関わっており、もしも「何だか体調が悪いんです」と問われて「それは自律神経失調症ですね」と答えれば、ほぼ60~70%は合っているいるのですから。
かと言って、自律神経失調症に対しては現代医学にも有効な解決策がある訳ではありません。
安定剤や抗うつ剤でお茶を濁されるのが関の山、「気のせいですよ」「心の風邪」などと言われても何にもなりはしません。

例えば「汗が出るんです」という相談を受けた時、まずはどんな時に汗が出るるのか確認します。
暑い時に汗をかくのは当たり前ですが、そうでないときに汗をかくのはちと問題です。
また、全身に汗をかくのか、顔や手足、手のひらやわきの下など、局所にだけ汗をかくのか、なども確認します。
汗が出るようになった”きっかけ”にも注意委が必要です。
漢方的な判断基準「陰陽虚実」「気血水」を尺度にして、病位(病気の深浅)や病因(病気の原因)を探ります。
飲食の状況や、「冷え」「のぼせ」、小便の量や回数、便通の様子、女性の方なら生理についても確認します。

これらの色々な症状から、身体全体の症候(証)を決めて治療するのです。


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