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二階堂先生の「食べ物は薬」
イチジク - 不老長寿の果物
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- イチジク
- 学名:Ficus carica
- 科名:クワ科
- 英名:fig
- 別名:無花果(ムカカ)、唐柿(トウガキ)、映日果(エイジツカ)、蓬莱柿(ホウライシ)、南蛮柿(ナンバンガキ)
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アジア南部原産で日本へは江戸時代、中国を経由して長崎に渡来しました。
茎や葉を切ると白い乳汁が出ます。この乳液にはフィシンというタンパク質分解酵素が含まれており、かつては「イチジク葉抽出物」として日本の既存食品添加物名簿にも載っていました。
卵状の花嚢(カノウ)と呼ばれる(果実)中に無数の白色の小花と果肉があり、熟すと紫色となります。外からは花が見えないことから無花果と言われます。
果実が一ヶ月で熟すことから、又は一日に一果実ずつ熟すことから「一熟(いちじゅく)」、これから転じて「いちじく」と呼ばれるとも言われています。
食用となる部分は果肉ではなく、正確には花托(かたく)と言うことになります。この果実には果糖、ブドウ糖、タンパク質、ビタミン類、カリウム、カルシウムやペクチンなどが栄養素として含まれています。
不老長寿の果物とも言われており、主として生食にしますが、ジャム、乾果として缶詰にもします。又ワインや酢の製造原料に果実が用いられます。
エデンの園で禁断の果実を食べたアダムとイブがイチジクの葉で作った腰蓑を付けたことなど、聖書にはたとえ話なども含めてしばしば登場してきます。
生の葉を刻み布袋に入れ浴剤とすると良く温まり、神経痛、リウマチ、痔などに対して鎮痛作用があります。乳汁は疣取りや水虫に効果があると言われます。
果実を無花果(ムカカ)と呼び、多量の糖分と有機酸を含み、食物繊維も豊富に含まれており、生食すると消化を助け、便通を良くするので便秘、痔疾、吐血、鼻血などに用いられます。