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二階堂先生の「食べ物は薬」

ウメ - ウメの産物:梅干/梅酒/梅肉エキス

ウメ
  • ウメ
  • 学名:Prunus mume
  • 科名:バラ科
  • 英名:Japanese apricot
  • 別名:梅、春告草(ハルツゲクサ)、風待草(カゼマチグサ)、好文木(コウブンボク)、木の花(コノハナ)

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梅干 ウメの果実と葉 ウメの花 梅干とウメの花と果実と葉

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中国原産で日当たりがよく、水はけの良い所を好む落葉高木です。花の観賞と、果実を食用にする目的で江戸中期から栽培されている果樹です。早春に葉に先立って白から微紅色の花が咲き、梅雨の頃に球形の果実となり熟すと黄色くなります。ウメには300種以上の品種があり野梅系、紅梅系と豊後系の3系統に分類されており、主に果実を利用する豊後系(肥後系)はアンズとの交雑により果実が大型化しており、野梅系はこれに対し果実も小型で完熟すると果肉が甘味を生じます。

果実を梅干し、梅酒、梅酢、寒露梅、梅ジャム、のし梅、梅肉煮などに用います。強い酸味があり、クエン酸をはじめとする有機酸などを多く含み、中国では紀元前から酸味料として使われており、塩と共に大事な調味料とされています。「塩梅(あんばい)」と言われる言葉も調理用語で、梅と塩による味付けが美味しいことを表しています。

梅干は熟したウメの果実を塩漬け後に日干し(土用干し)にした漬物です。塩漬けのみで日干しにしないものが梅漬けと呼ばれます。本来の伝統的製法による梅干の塩分は20%前後で、保存性に優れ、数10年間保存された梅干も知られています。最近では日干しした物を水につけて塩分を減らしてから、味付けをした「調味梅干」と表記され、賞味期限も半年程度のものが多く見られます。食品成分表では「梅干」が塩分22.1%、「調味梅干」は7.6%となっていますから製品表示を注意してみましょう。梅干には唾液分泌促進、疲労回復、解熱、抗菌・防腐などの効果も知られています。

梅酒は青い未熟果実を蒸留酒(ホワイトリカー、焼酎)に漬け込んで作られ梅焼酎とも呼ばれ食前酒などとして使われます。ウメの実をよく洗ってから十分に水分を除いて後、天日で1時間くらい干して乾燥します。この時、大量の未熟果実を放置すると青酸ガスが放出され中毒する場合もありますから換気に注意しましょう。ウメと砂糖(氷砂糖)を交互に瓶に入れ、酒を注いで密栓、冷暗所に保存します。なお、使用する酒はアルコール度数が20度以上(一般には35度以上)のものを使わないと酒税法違反となります。

梅肉エキスは生のウメ果実をすり下ろし、汁を絞り取り、土鍋でゆっくり煮詰めて作られる、黒い飴状のもので解熱、食あたり予防、腹痛、下痢止めなどに用いられます。

種子を梅仁(ばいにん)と呼び、アミグダリンを含有しており、主として鎮咳剤とされ、又未熟果実を燻製にしたものを烏梅(うばい)と呼び、強い抗菌、整腸作用があって下痢や吐き気止め、解熱、鎮咳、去痰、回虫駆除などに用いる他、漢方処方用として用いられます。

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