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二階堂先生の「食べ物は薬」
エンドウ - 糖尿病に豆の絞り汁
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- エンドウ
- 学名:Pisum sativum
- 科名:マメ科
- 英名:pea, garden pea
- 別名:豌豆花梨、安蘭樹(あんらんじゅ)、三月豆、野良豆(のらまめ)、エンドウマメ、 グリーンピース、サヤエンドウ(絹莢)、サヤブドウ、ブドウマメ、カキマメ、ブンコ、ブンズ
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地中海沿岸が原産地とされるメソポタミヤ生まれの1年又は越年草で、古代ギリシャ時代から栽培され、中国に伝わり奈良時代に遣唐使が持ち帰ったと言われています。ただし、さやエンドウを食べるようになったのは江戸時代からとされ、本格的な栽培は明治に入ってからとなります。
やや低温を好み、暑さには弱く、連作を極端に嫌う植物ですが生育期間が短いので高緯度の所でも栽培できます。
葉先に巻きひげがあり、葉と茎の付け根からマメ科に特徴的な五弁の蝶形の白色、紅色、紫色等の花が咲き、生花に使われることもあります。
果実の莢(さや)が硬い硬莢種(こうきょうしゅ)と軟らかい軟莢種(なんきょうしゅ)とがあり、若い莢ごと食べる「さやエンドウ」、熟してから生の豆を使う「エンドウまめ」と明治以降に渡来したとされる「青豌豆(グリーンピース)」、それと成熟した豆を乾燥して雑穀とするものなどが知られています。
また軟莢種の中で豆が大きくなってから莢も柔らかな「スナップエンドウ」のような豆と莢の両方を一緒に利用できるものもあります。中国では若い芽や葉などを「豆苗(とうみょう)」と呼んで食用としています。
種子(豆)は球形で赤色、白色、緑色、灰色、褐色などがあり、赤エンドウ、青エンドウ、白エンドウなどと呼ばれています。
赤エンドウは煮豆やみつ豆に、白エンドウは炒り豆、鳥の子餅などの原料となります。最も使われる緑色の青エンドウはグリーンピースとして和・洋・中華料理や炊き込みご飯、煮豆、甘納豆、餡、炒り豆、スープなど多くの用途が知られています。
食物繊維が豊富なので便通を整え、脳の働きを活性化するアミノ酸、リジンやシスティン、アルギニンなどを豊富に含んでおり、良質のタンパク質とビタミンとのバランスが良く滋養強壮、利尿作用があり、糖尿病には豆の絞り汁に薄味を付けて飲み続けると効果があるといわれます。
この豆には古くから胃や膵臓の調子を整える働きが知られており、中国では糖尿病患者の食事療法に取り入れられています。
民間では乳房や他の腫れ物に外用薬として用いられています。