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二階堂先生の「食べ物は薬」

イチョウ - 認知症予防と改善に葉のエキスを

イチョウ
  • イチョウ
  • 学名:Ginkgo biloba
  • 科名:イチョウ科
  • 英名:ginkgo
  • 別名:銀杏(ぎんきょう、ぎんなん)、白果(はくか)、公孫樹、鴨脚樹

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イチョウの果実と種子 イチョウの葉 イチョウの雄花と雌花 イチョウの果実と種子、葉、雄花と雌花 イチョウの果実と葉 イチョウの果実

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中国原産の高さが30mにも達する落葉高木で、日本には仏教の伝来と共に中国から渡来したと言われています。扇形をした葉の葉脈は付け根から先端まで伸び、中央部が浅く割れており、学名のbiloba(2つの裂片)の由来となっています。雌雄異株で果樹としては雌の木が、庭木や街路樹(東京・明治神宮外苑、大阪・御堂筋が有名)には雄の木が各地で植えられています。

種子植物として初めてイチョウから精子が、1896年に東京大学の平瀬作五郎によって発見され、その元となった株は東大付属小石川植物園のシンボルとして現在も残っています。このように長寿で巨木となり、青森県には幹の周囲が22mを越えるイチョウも知られています。

花は葉の発芽と同時に開花し、4月頃、雄花は球状、雌花は有柄で裸出した胚珠を付けます。果実は外側に多肉性の外種皮があり、内側に堅い内種皮に包まれた種子があります。この種子は銀杏(ぎんなん、ぎんきょう)と呼ばれ、殻(内種皮)を割って得た、独特の苦味と若干の臭気のある白果仁(はくかにん)をがんもどき、田楽、茶碗蒸しや酒の肴などとして食用にします。この白果を炒ったり、煮たりして鎭咳去痰薬としたり、夜尿症などに用いますが、長期服用や小児の大量摂取は避ける必要があります。多食すると銀杏に含まれている4-O-メチルピリドキシン(MPN)がビタミンB6の作用を阻害し、神経伝達物質のGABAの生合成を阻害することによって痙攣を起こし、死に到ることもあります。特に5歳未満の小児による中毒例が多く、全中毒患者の70%以上を占めています。中国では結婚式の朝、長時間にわたる結婚行事を控えた花嫁に銀杏を食べさせる習慣があります。これは焼いた銀杏の抗利尿作用によって尿意を抑える働きを示しているのでしょう。

イチョウの葉にはギンゴライドやフラボノイドが含まれており、血流改善、アルツハイマーや認知症の予防、改善などの効果が知られていて、ヨーロッパへ大量に輸出され、ドイツ、フランスをはじめスイス、イタリア、オーストリアでは医薬品として認可を受けています。ただ、イチョウ葉エキスと数種の医薬品との相互作用についても報告があります。

その他、葉の煎じ汁を霜焼けの治療に温湿布として用いたり、書物の栞として葉を紙魚(しみ)予防に使ったりします。また材は均一性、加工性に優れ、歪みが出にくく多くの家具類やまな板などの適材として用いられています。

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