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二階堂先生の「食べ物は薬」

アシタバ - 栄養豊富な緑黄色野菜で用途広く食べられる

アシタバ
  • アシタバ
  • 学名:Angelica keiskei.
  • 科名:セリ科(Apiaceae)
  • 英名:ashitaba
  • 別名:八丈草(はちじょうそう)、明日草(あしたぐさ)、明日穂(あしたぼ)

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アシタバの葉 アシタバの根 アシタバの種子 アシタバの若芽と花 アシタバ01 アシタバ02 アシタバ03

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日本原産で関東地方を北限とし、太平洋側に限られ、伊豆半島、伊豆七島から紀伊半島の温暖な海岸地方に自生しています。

草丈が約1mにもなる大型の多年草で、長く肥厚した根から太い茎が直立し、赤く長い葉柄をもった葉が2回3出複葉を形成します。小葉は軟質でやや光沢がある深緑色をしており、深く切れ込む鋸歯が見られます。

茎の上方は分枝して、その頂きに大型の複散形花序を付け、秋には淡黄白色、5弁の小花を多数咲かせます。

その後に扁平で楕円形をした果実ができ、結実すると枯れてしまいます。

寒さにはあまり強くはないが、今日、葉を摘んでも明日には芽(葉)が出るほどの強い生命力を持っており、アシタバ(明日葉)の名前の由来となっています。茎や葉を切ると淡黄色の汁が出ますが、フラボノイドによる色なので無毒で食用に差し支えありません。

アシタバによく似た、本州中部以南の海岸で見られるハマウドAngelica japonicaは茎を切った時に出る汁の色が薄く、昔から食用にはされていません。また中部以北の山中に見られるアマニュー Angelica edulisも良く似ているが、草丈が3mにもなり、花の色や茎葉からの汁の色で区別でき、若葉が食用とされます。

アシタバの茎葉、特に若葉は緑黄色野菜としてほぼ1年中採取可能の山菜として、味の良さも最高とされています。特有の香りと、苦味が少しあるが柔らかくなるまで茹で、水にさらしてアク抜きをしてから浸し物、酢の物、和え物、サラダ、煮浸し,油炒めや天ぷらなど用途広く食べられます。蕾も食用とされ天ぷらが適しています。伊豆大島や八丈島ではラーメンや蕎麦に葉をのせて食べたり、醤油漬けやケーキ、焼酎、こんにゃく、アイスクリームなどに粉末としたものを入れた商品が土産物として人気があります。若葉や若芽を洗ってから細かくして陽乾してから陰干しにして乾燥したものに熱湯を注いでアシタバ茶として飲まれています。

緑黄色野菜としてミネラル、ビタミンが豊富に含まれ、特にカリウムとβ-カロテンが多いのが特徴で、また食物繊維もホウレンソウの2倍と多く含まれています。他にカルコン類やクマリン類などの抗菌作用を示す化合物や、茎葉からの汁液中のフラボノイドなど抗酸化作用物質も知られています。特に4-4'ジメトキシカルコンがアシタバからも得られており、各種の動物実験で老化防止効果が見られており、昔、中国の始皇帝や武帝がアシタバを求めて日本へ使いを派遣したという伝説も知られています。

健康食品として高血圧などの生活習慣病、便秘防止、貧血、利尿に用いたり、催乳、強壮作用もあるとされ、中国で「本草綱目」、日本でも「大和本草」などの薬草に関する書物に紹介されています。また枯れる前に採った根は朝鮮ニンジンの代用にも利用されています。

なお明日葉は俳句で春の季語とされています。

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