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二階堂先生の「食べ物は薬」

イ(イグサ) - 薬草として知られ、食用としても利用されています。

イ(イグサ)
  • イ(イグサ)
  • 学名:Juncus decipiens
  • 科名:イグサ科
  • 英名:rush
  • 別名:藺草(イグサ)、燈芯草(トウシンソウ)

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イグサ イグサの茎と花穂 イグサの茎断面 イグサの地下部 イグサ イグサの花 イグサの花 イグサ果実 イグサ畑 トウシンソウ トウシンソウ イグサ飴

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日本全国、朝鮮半島、中国に分布し、主として湿地や川辺に自生する多年草です。最も短い標準和名として、正式な和名は「イ」と呼ばれ、栽培品種であるコヒゲJuncus decipiens f. utilis は日本で古くから畳表の材料として日本家屋に使われています。

地面から長く伸びる細くて、針状をした円柱状のものはすべて花茎です。茎は地下茎となり、茎の基の所を包むように褐色~暗赤色をして鞘状に退化しているため、外見上は無いように見えます。地下茎から地上に多数の花茎を伸ばし、その花茎は艶のある緑色をしており、表面はすべすべしています。

花茎の先端に短柄を持った花穂がほぼ球状に付きますが、その部分から花茎と同じ円柱形の苞葉が直立して付くため、花茎の途中から横向きに沢山の花序が出ているように見えます。

花は緑色であまり目立ったものではありませんが、先のとがった6枚の花被があって星形に見えます。

夏に刈り取った茎を小刀で皮を裂いて、中の白い髄の部分を取り出したものが燈心(とうしん)で、軽くてよく油を吸い上げるため、ナタネ油を浸み込ませて、かつては灯火に用いていました。現在でも和ロウソクの芯の素材として使われています。髄を除いた部分はイガラと呼ばれ、ちまきや笹団子を結ぶ紐として用いられています。

江戸時代に書かれた「和漢三才図会」には燈芯部分を煎じて、感染による炎症や水腫の改善に効果があり、焼いて灰にしたものを飲み、喉の病気を緩和するとの記述が見られます。また煎じた液は利尿剤、不眠症や切り傷、打撲などに用いられます。

成分としてはビタミン類、ミネラル類、食物繊維やキシラン、アラバンなどの多糖類が知られており、イグサの産地として有名な熊本県では粉末にしたものを食用に利用しています。アイスクリームに入れたり、お茶、麺類材料、ふりかけや飴などに用いています。さらにイグサの香りにはリラックス効果がある事が見出され、茶室や部屋の内装材料などにも使われたり、使った後は食べられるイグサの箸の開発などもされています。

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