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二階堂先生の「食べ物は薬」
オオバギボウシ - 「ウルイ」の名で知られる山菜で、全草と花が民間薬とされて用いられます
- オオバギボウシ
- 学名:Hosta sieboldiana var. sieboldiana
- 科名:キジカクシ科
(旧ユリ科) - 和名:オオバギボウシ
- 英名:hosta, plantain lily
- 別名:ウルイ、トウギボウシ、ミズギボウシ、ウリ、ウリッパ、ヤマカンピョウ、 アマナ、ギンポ、ヤマガンリョウ

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東アジア原産の多年性草本で、北海道から中部地方より北部地域に分布しています。各地の平地から高山地帯までの日陰や湿気のある草原や林の縁などに群生しています。
草丈は1m位にまでなり、根は太い根茎を持ち横走します。
葉は長さ10~30cmの根生葉で、長い葉柄を持ち、裏面には平行脈が突出して見られ、葉の両面にはっきりとした葉脈が見られます。
7月から8月にかけて長い花茎を伸ばし、淡い紫色又は白色をして、先が6片に裂け、6本の雄しべと、1本の雌しべが突き出てラッパ状のきれいな花が下向きに10数個咲きます。花軸に付いた蕾を下から順に上の方へ次々と開花させてゆきます。
若葉と蕾や花は食用とされます。葉巻のように出てくる若葉は、幅が広く楕円形をして、先端が尖っており、また蕾の形が橋の欄干の先端に付いているネギ坊主に似た飾りである擬宝珠(ぎぼうし)と似ていることから、この名前が付いたと言われています。
若葉は「ウルイ」の名で山菜として良く知られており、茹でて浸し物、和え物、揚げ物や炒め物などとして食べられます。味が淡白なので、どんな料理にも向いています。葉は広がると硬くなり、少し苦味が出てくることがあるため、水にさらすか、葉身は捨てて葉柄だけを食べるようにします。若葉や花を茹でたものを干したものは食用に保存しておくこともできます。
ギボウシにはオオバギボウシの他にコバギボウシ、タチギボウシ、ミズギボウシやイワギボウシなどの種類もあり、これらはいずれも食用にされると言われています。
春~夏の頃に全草及び花を採取して、水洗した後に、陽乾したものが民間療法で使われています。全草は水で煎じて、煎液を腫れ物の患部を洗うか、生の葉をもんで、その汁を患部に塗布して用います。また花の水煎液は利尿の目的で食間に服用する方法が知られています。
若い芽が、有毒なバイケイソウやコバイケイソウとよく似ているため採取する際には注意する必要があります。ただギボウシの仲間の植物にはある長い葉柄が、これらのものには無く、また葉脈が付け根の部分から平行に走っている点に気を付ければ、区別がつきます。











