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二階堂先生の「食べ物は薬」
カブ - 栄養素の宝庫
- カブ
- 学名:Brassica rapa
- 科名:アブラナ科
- 英名:turnip
- 別名:スズナ、カブラ、蕪(カブ)、蕪菁(ブセイ)
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世界の温帯で広く栽培されている越年草で、京野菜など西日本で見られるアフガニスタン原産のアジア系と、東日本で見られる地中海沿岸原産のヨーロッパ系の2変種が知られています。「聖護院カブ(千枚漬け)」、「近江カブ(青首丸カブ)」、「大野紅カブ(紅カブ)」などのアジア系と「金町小カブ(青果用)」、「温海カブ(漬物用)」、「飛騨紅カブ(加工用)」などのヨーロッパ系の品種があり、形、色などの様々な約80品種が知られています。
日本にはダイコンよりも早く縄文時代には伝来し栽培されていました。
黄色のアブラナ科の特徴である十字花を咲かせ、春の七草でスズナ(鈴菜)と呼ばれ、コマツナやハクサイとは兄弟で、ダイコンとは他人の関係にあるアブラナ科を代表する植物です。葉の形は切れ込み(鋸歯)の無い丸い葉で、切れ込みのあるダイコンとは異なります。
細胞壁が薄いので漬け過ぎや煮過ぎると形崩れして溶けてしまうので注意が必要です。ナマでも酢の物でも甘みがあり、美味しく食べられ、和、洋、中華いずれの料理でも酢漬け、汁の実、煮物などに利用されます。現在最も市場に多い小カブは一夜漬けや汁の実に、中カブは漬物、煮物、三杯酢に、大カブは風呂吹きや千枚漬けが適しています。
葉がみずみずしく、色鮮やかなもので、根はヒゲ根があまり無く、艶があって胴が張って重量感のあるものが選ぶポイントです。保存は水分の蒸散を防ぐため葉を切り取って別に用い、根はポリ袋に入れ冷蔵庫の野菜室に保存してください。
根と葉の栄養成分は異なり、根はビタミンCを多く含み消化酵素アミラーゼを含んでいるので腹痛に効き整腸作用がありますから食べすぎや胸焼けを和らげます。利尿効果や、卸汁を飲めば喉によく、青汁の材料にも使われます。
葉は緑黄色野菜でビタミンC、B1、B2、カロチン、ミネラル(鉄、カルシウム、カリウム、リンなど)の栄養素の宝庫と言われ、野菜の中でずば抜けて豊富です。さらに食物繊維などもあるので解毒作用、ガン予防効果が期待されています。低血圧の人、食欲の無い人、虚弱児や高齢者は根と葉をぜひ一緒に食べて下さい。