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二階堂先生の「食べ物は薬」

カキノキ - しゃっくり止めの妙薬、カキの蔕

カキノキ
  • カキノキ
  • 学名:Diospyros kaki
  • 科名:カキノキ科
  • 英名:kaki、 persimmon,  Sharon fruit
  • 別名:柿

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カキノキの果実と葉 カキノキの蔕(へた)
カキノキの花 カキノキの果実と葉、蔕(へた)、花 カキノキ雌花 カキノキの果実

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中国原産の落葉高木で、暖地には葉や枝に毛が多く見られ、小型の果実の野生種が分布(ヤマガキ)していますが、現在では世界各地で栽培されています。日本では古くから地方の家々の庭に栽培されており、冬期の栄養補給に役立っていたと聞きます。我が国へは奈良時代に中国から渡来したと言われ、江戸時代に日本からヨーロッパや北米へ伝わったことから、学名にkakiの名があると言われます。

高さは10m近くになり、葉は互生し、葉身は広楕円形~倒卵形で、先端は尖り、全縁で葉柄があります。淡黄色の花は初夏に咲き、雌雄異花で花の外側に付く萼(がく)は大きく、花冠は鐘状をしています。果実は品種により形、大きさなどが変化に富んでいます。10月頃に果実が熟し、黄色~紅色になりますが、熟しても渋味のある渋柿と、渋柿の突然変異種と言われる甘柿に分かれます。甘柿は日本の特産種で、果肉のタンニンが不溶性で、熟すと常に甘い甘柿と、渋味が残る甘柿とが知られています。渋柿の果肉ではタンニンが水溶性のため生食すると、渋味か強く感じられ、湯やアルコールなどで渋抜きを行って醂し(さわし)柿として食べます。固い果実を採り室内の冷暗所に置き、果肉が軟らかくなった熟柿(じゅくし)を食べるのが最も簡単な渋抜きと言え、私も行って食べています。このように果実を生食にする他、干し柿や、柿羊羹、ジャム、酢、ワイン、ゼリー、カレーなどの食品に加工して食べられています。胃腸に負担をかけないで、吸収が早く、果糖やビタミン類が豊富な良質の果実として日本の代表的な果実とされています。

カキノキは果実の他に葉、萼(へたとも言う)や柿渋が薬用とされています。初夏に若葉を採り、陰干しした後に蒸してから陽乾させます。ビタミンC、Kやミネラル、フラボノイドなどを含有して、血管を強化する作用や止血作用があり、内出血、消化性潰瘍の止血、利尿、新陳代謝を活発にするので、高血圧症、動脈硬化症など、生活習慣病予防に柿葉茶として飲まれています。また若葉を天ぷらにしたり、押し寿司などにも用いられます。

果実を食べた後のへたはそのまま陽乾して柿蒂(してい)と呼ばれる生薬として、煎じてしゃっくり止め、げっぷ止め、夜尿症に用います。漢方処方の柿蔕湯(していとう)や丁香柿蔕湯(ちょうこうしていとう)に配合され、しゃっくり止めに用いられます。未熟果実をつき砕き、10%位の割合で水を加え半年くらい置いてから圧搾して汁を採り、密閉容器に入れ冷暗所で半年くらい熟成させて作られたものが柿渋で、柿渋には血圧降下作用が知られており、血圧が下がりにくい時にダイコンおろしと共に服用すると、便秘をすることなく効果があり現在でも使われています。また柿渋は紙に塗って和傘や団扇に使う耐水性に優れた渋紙として、また塗料や石鹸材料(柿渋石鹸)にもされます。

その他干し柿を柿餅(しべい)、根を柿根(しこん)と呼び止血の目的で使ったり、干し柿の表面に出る白い粉末状の柿霜(しそう)、これを加熱した柿霜餅(しそうべい)は喉の痛みや咳止めに用いることも知られています。

カキノキの緑色の葉はアルミ、錫、銅や鉄などの媒染剤を使い黄茶色などの染色にも用いられます。


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