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二階堂先生の「食べ物は薬」

ゲンノショウコ - 副作用のないお茶代わりに、また古くから知られた下痢止め

ゲンノショウコ
  • ゲンノショウコ
  • 学名:Geranium thunbergii .
  • 科名:フウロソウ科
  • 英名:cranesbill
  • 別名:ミコシグサ、タチマチグサ、ホッケソウ、イシャゴロシ、ネコグサ、テキメンソウ、ネコアシ

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ゲンノショウコの花 ゲンノショウコの葉 ゲンノショウコ全形 ゲンノショウコの果実 ゲンノショウコの熟した果実 ゲンノショウコ白 ゲンノショウコ果実 ゲンノショウコ果実 ゲンノショウコ赤

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日本各地の道端や田畑の周りなどによく見られる多年草で、母種は中国からヒマラヤに至るまで分布していますが日本のように薬用にはされていません。

茎は30~60cmで直立せず、倒れて広がり、節から葉を出します。葉は有柄で対生し、下の方の葉は掌状で深く5裂し、上の方の葉は3裂します。裂片は倒卵形をしており、上部に鋸歯があります。葉柄の付け根の両側には薄い膜質の托葉があるので、葉がよく似ている有毒植物であるウマノアシガタとは容易に区別できます。茎、葉柄、葉身すべてに粗い腺毛が生えています。

葉腋より夏から秋にかけて花柄を出し、直径1~1.5cmの5弁の花を2個づつ咲かせます。花の色は東日本と西日本とで異なっています。一般に東日本地方では白色(紫色の筋が入っている)で、西日本地方では全体に赤紫色をしています。両者を一緒に植えても交雑はしないようです。

果実は長さ2cmほどで細かい毛が密生した細長い形をしています。その基部に種子が1個づつ入っている5個の袋状をした突起があり、熟して乾燥すると縦に開裂して勢いよく跳ね上がり、その際に袋の中にあった種子が飛び出し、なるべく遠くへ散布する仕掛けになっています。裂開した後の果実の形が御神輿の屋根の形に似ていることからミコシグサの名前も知られています。

若い地上部はゆがいて炒めるか、胡麻和え、クルミ和えにしたり、天ぷらにして食用とします。

夏の土用の頃、花期のはじめによく育ったものの地上部を刈り取ってよく水洗し、変色した葉は取り除いてから、吊るして陰干ししたり、拡げたりして乾燥させたものが生薬の「ゲンノショウコ」です。成分としてはタンニンが知られており、その中でゲラニインが化学構造も解明され、消化管に対する作用も研究されています。日本の古くから知られた下痢止めの民間薬として知られており、その効果が確かで、飲めば直ぐに効くことから「現に証拠が現れる」薬草として「ゲンノショウコ」の名が付けられています。副作用もないので茶の代用ともされて飲まれたり、しもやけの洗浄や腫物、皮膚病に煎液が用いられます。生薬の薬効として止瀉、整腸、利尿、強壮作用が知られています。

乾燥した茎葉は金属を媒染剤としての染色にも用いられています。


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