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二階堂先生の「食べ物は薬」
キクイモ - イヌリンが多く含まれている特長を持った健康食
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- キクイモ
- 学名:Helianthus tuberosus .
- 科名:キク科
- 英名:Jerusalem artichoke, girasole, Canada potato
- 別名:菊芋、アメリカイモ、ブタイモ、トピナングール、サンチョーク、エルサレム アーティチョーク
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北米北東部原産の多年草で、17世紀にヨーロッパへ入り、フランスで多量に栽培が行われ、上記別名にあるトピナングールと呼ばれたり、アーティチョークのような味だと思われエルサレム アーティチョークと通称され、イタリア、イギリスなどでも同じように栽培されていたようです。日本には江戸時代の末頃(1860年代)にイギリス公使が本国から持って来て栽培したと言われています。その後、食用や飼料、各種食品の加工原料などとして栽培され、一部野生化したものも見られます。
茎はまっすぐ立ち上がり、高いものでは3mにもなります。茎には粗毛があり、ザラザラした感触があります。
葉は茎の下の方では卵形で対生し、上の方では卵状披針形で先端が尖っていて互生し、長い葉柄があります。3本の目立った葉脈が見られ、小さな鋸歯があって、両面に短い毛があってざらつきます。
秋に鮮やかな黄色で、直径7cm位の上向きの頭花が咲きます。
茎葉が枯れる頃、塊茎(芋)を掘り取り、水洗して食用とします。煮ると特有の甘味があり、煮物の他に味噌漬けなどの漬物にしたり、戦時中の食糧不足の時には大いに利用されました。最近では揚物にしたり、チップス、味噌汁の実や、健康食品としてお茶や顆粒に加工されたりして販売されています。
成分としてはデンプンではなく、多糖類のイヌリンが13~20%と多く含まれているという特長から健康食として世界各地で多くのレシピが考えられており、また飴、アルコールや果糖の原料ともなります。その他に体内からの塩分除去をするカリウムも多く含有されており、高血圧症にも期待が持たれています。
名前は花や芋の切り口がキク(菊)に似ており、地下に多くのイモ(芋)ができることからキクイモ(菊芋)と呼ばれています。