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二階堂先生の「食べ物は薬」

カキドオシ - 世界各地にある食べられる野草で、薬草としても知られています

カキドオシ
  • カキドオシ
  • 学名:Glechomea hederacea var. grandis
  • 科名:シソ科
  • 和名:カキドオシ
  • 英名:gill over the ground, alehoof
  • 別名:レンセンソウ(連銭草)、カントリソウ(癇取草)、垣通し、カンキリソウ

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カキドオシ カキドオシの葉 カキドオシの葉(左:表、右:裏) カキドオシの花 カキドオシ カキドオシの葉 カキドオシの葉 レンセンソウ寸切り レンセンソウ和・寸切

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ヨーロッパ~アジア原産の多年生、つる性の草本で世界各地の温帯地方に見られ、野原や土手などによく見られます。

茎はシソ科の特徴である四角形で、はじめは直立しますが、花が咲くと走出茎となって地表を1mほど伸びてゆき、このつるが垣根を突き通して伸びてゆくところから「カキドオシ」と呼ばれます。節の所から根を下ろして横に伸び、増えてゆきます。節の所に対になって二枚ずつ、長い葉柄を持った腎円形の葉が付きます。葉の辺縁には細かい鋸歯があり、形状が銭形で連なっていることから別名の「連銭草」の名が知られています。

葉には茎と共に細毛があり、春より夏の方が大きく、柔らかで皴があります。葉身を揉みつぶすと、この草独特の芳香があります。

4~5月頃に葉腋から薄紫色の唇形の花が輪生に咲きます。下唇の内側には濃紫色の美しい斑点が見られます。

食べられる野草としてもよく知られており、また茎や葉を乾燥させ、お茶としても好まれています。花が咲き終わる前に柔らかな茎葉と花を根元から採り、少量の塩を入れた熱湯で軽くゆでてアクを抜き、水にさらしてから細かく刻んだものを浸し物、和え物やてんぷらなどにして食べます。

花期に地上部の全草を採取し、陰乾したものが生薬の「連銭草」と呼ばれ、煎じて糖尿病、腎臓病などに使われ、濃い煎液は湿疹に塗って使われています。民間では小児の癇を治すとされ、「カントリソウ」の別名が知られています。生の葉を水虫やたむしに擦りこんで使うこともあります。胆汁分泌促進、血糖降下作用なども知られており消化器系の病気にも効果があると言われています。リモネンなどの精油成分、コリン、ウルソール酸や硝酸カリなどが含有されています。

中国名では「金銭草」、「活血丹」と呼ばれて日本とほぼ同じ様な目的で使われています。ヨーロッパでは古くから優れた民間薬として知られており、ドリンクに香料や浄化の目的で使われたり、煎じて咳止めや去痰などの気管支や肺の病気に用いられ、またカキドオシにハチミツで味を付けたお茶がgill tea(ギル茶)と呼ばれて、風邪薬として使われています。


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