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二階堂先生の「食べ物は薬」

オランダミツバ(セロリ)- 古くから薬草として整腸・強壮剤とされる

オランダミツバ(セロリ)
  • オランダミツバ(セロリ)
  • 学名:Apium graveolens var. dulce
  • 科名:セリ科
  • 英名:celery
  • 別名:清正人参(きよまさにんじん)、塘蒿、セルリー、セレリィ

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セロリの葉柄 セロリの根 セロリの花(上)種(下) セロリ セロリ

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ヨーロッパ原産の1年又は2年草で涼しい気候と湿気を好む淡色野菜で、古くから栽培され江戸末期に渡来した。国内では現在、長野県の高原や静岡県などが主な産地とされている。

全草に芳香があり茎は直立し、葉柄と共に多くの稜が縦にみられる。長い柄を持った葉は羽状複葉で、小葉には鋸歯と深い切れ込みがある。夏に薹立ちして緑白色をした小花を球状(複散形花序)に付ける。古くは加藤清正が日本に持ち帰ったとされ、キヨマサニンジンの名で知られていた。また中国で改良された芹菜(きんさい、chinese celery)は葉柄が細く、肥厚しない品種として知られていて、炒め物などに用いられる。ほぼ全ての部分が食用にできるが、特に柔らかくて甘味のある葉柄をサラダとして生食し、スープ、シチュー、煮物、漬物、炒め物などにしたり、肉料理の香味野菜として使われる。炒った種や種子油も食用とされ、種を乾燥させたものは香辛料「セロリシード」として、また塩と混ぜて「セロリソルト」などとして用いられる。また切ったチーズの保存に葉を利用する。

栄養成分としては葉柄より葉に栄養が多く、カロチン、ビタミンB1,B2、C,ミネラルのカリウム、カルシウム、ナトリウムなどを含有している。茎葉の成分にはフラボン配糖体のアピインやマンニット、イノシットを、根にはグルタミンやマンニット、また種子には約3%の精油の他、リモネン、パルミチン酸やフェノール性化合物が含有されている。古代エジプト時代から薬用として栽培され、整腸剤や強壮剤として利用されており、便秘、高血圧、食欲不振、肝臓などに良いとされている。ヨーロッパでは古くから男性の強精薬としても知られ、中国では近年、血圧降下作用を示す成分も見出されて高血圧、頭痛、目の充血や血尿に用いられている。

葉柄をジュースにして疲労回復に、セロリ酒にして不眠に用いられる。葉も無駄にせず刻んで布袋に入れて浴湯料として用いれば、香りも良く保温、疲労回復、腰痛などに効果があるとされている。


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