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二階堂先生の「食べ物は薬」
サトウキビ- 各種の砂糖やラム酒の原料
- サトウキビ
- 学名:Saccharum officinarum L.
- 科名:イネ科(Gramineae)
- 英名:sugar cane
- 別名:甘蔗(かんしょ)、キビ、おうぎ、うぎ、ウージ
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熱帯アジアが原産地とされ、現在では熱帯、亜熱帯地域に広く栽培されている二年草又は多年草で、日本には琉球から1720年頃に伝わり、沖縄、奄美諸島などを主産地としています。
3mほどの高さにもなる茎は、太さが直径2~5cmで木化しており、竹のようにも見え、10~20cmおきに沢山の節があって、節と節との間の内部はイネ、ムギなどの一般のイネ科植物と異なり、柔組織で満たされており、中空とはなっていません。
葉は節の所から出て、長さが1m以上にもなり、茎の先に50~60cmもある灰白色の大きいススキに似た花穂が出てきます。
茎の内側にある白い柔組織には糖分が豊富に15%前後含まれており、生産地では外側の皮をむいて、噛んで汁をすすって食べたりしています。また汁を圧搾機で搾ってそのまま飲んだり、冷してレモンを加えて飲んだりします。搾った汁から得られる未精製のものは黒糖に、精製すると白砂糖となり、結晶のさせ方によりザラメ、氷砂糖となります。
沖縄・奄美の黒糖、四国の和三盆糖などが有名です。また精製するときに除かれる糖蜜も食用とされます。焼酎の原料やその他の食品工業、工業用エタノール製造原料などにもなります。サトウキビの絞汁に水を加えて発酵させてできるシュガーワインを蒸留すると透明なラム酒になります。ただし、キャラメル色素やシロップなどを添加して長期熟成させたように見せるものもあるので注意が必要です。
サトウキビはパンダの好物としてもよく知られていますが、沖縄ではお盆の時に茎を長いまま仏前に供える風習が知られています。精霊が帰る時に杖にするという意味があるようです。