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二階堂先生の「食べ物は薬」

シロツメクサ- 食べられる野草で幸福を呼ぶ四つ葉のクローバーとして有名

シロツメクサ
  • シロツメクサ
  • 学名:Trifolium repens
  • 科名:マメ科
  • 和名:シロツメクサ
  • 英名:white clover
  • 別名:クローバー、シロクローバー、オランダゲンゲ

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シロツメクサ シロツメクサの果実 シロツメクサの花 シロツメクサの種 シロツメクサ・ベニシジミ♂ シロツメクサ シロツメクサ開花初期 シロツメクサ開花後期 シロツメクサ開花終期

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アジアやヨーロッパの温暖地域が原産の多年草で、クローバー類の代表的な種類として知られています。世界中に牧草として広がり、最初にオランダで栽培されました。日本には16世紀にオランダからの献上品として長崎に入ってきたガラス器具の隙間に乾燥したものを詰め物として使われたことから詰草(ツメクサ)の名が付けられています。明治時代になって牧草、緑肥、緑化用として導入されて全国各地に広まりました。

茎は地面を這い、枝分かれして繁茂します。複葉の各小葉片の表面には白色又は褐色の斑紋がしばしば見られ、先端は窪んでいるか、丸くなっています。小葉は属名(Trifolium)が三葉という意味で本来3枚ですが、1枚のものから10枚程度までの奇形が見られます。このような形質は遺伝する傾向が見られます。私は1枚から8枚までのものを見つけていますが、やはり同じ場所で多くの奇形葉が見つかっています。三つ葉は信・望・愛を意味し、四つ葉は「幸福」を花言葉として伝えられており、五つ葉やさらに多い小葉のものにもそれぞれの花言葉が知られています。

多数の品種が知られており野生型、ラジノ型と中間型の3つに大別されています。野生型は小さな葉でワイルド型とも呼ばれ、牧草用に適しており、ラジノ型は大きな葉をした4倍体でイタリア北部で見つけられ、草丈が高く、多収なので採草用に用いられます。

葉は柔らかですが踏みつけられたり、刈られたりしてもすぐに再生する強い力を持っており、雑草の防止や土壌保全の目的に利用されることもあります。また根粒菌の作用で緑化植物や緑肥としても用いられています。一方で芝生を台無しにしたり、畑作物との競合やガーデニングで嫌われることもあります。

花は葉の付け根から出る花柄の先に多数の蝶形花が集まって球形の頭状花序を付けます。若くて柔らかい葉と花は食べられる野草として知られており、アクも少ないのでさっと茹でて水にさらし、辛子醤油やゴマ酢などの和え物、炒め物、酢の物、天ぷらや汁の実などにして食べます。花は水洗いして焼酎につけて花酒にします。また葉と花を一緒にしてかき揚げにしてもよく、コクがあり、形くずれせずに調理できる特徴があります。蜜源植物としても良く知られており、濃厚なハチミツが得られます。

薬草としても知られており全草を乾燥後に煎じて飲み、風邪やそれに伴う痰などの諸症状の改善や痔の出血、ストレスに対して用いられます。

成分としてはフラボノイドのクエルセチンやタンニンなどが含有されています。


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