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二階堂先生の「食べ物は薬」
ゼンマイ- 栄養葉は山菜として、根茎は生薬として煎じて用いられます
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- ゼンマイ
- 学名:Osmunda japonica
- 科名:ゼンマイ科
- 和名:ゼンマイ
- 英名:flowering fern
- 別名:ハゼンマイ、シシゼンマイ、ゼンゴ、ゼンノキ、アオゼンマイ、アカゼンマイ、ゼンメ
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日本と東アジア原産で、日本全土の平地から山地まで、湿り気のある場所を好んで自生する多年生のシダ植物です。しばしば群生して、良く知られた山菜の一つです。
根茎(地下茎)は太くて堅い木質塊状をしており、地上には茎はなく、葉は根茎から葉を束生して出てきます。
葉は2種類あり、早春に胞子を作る役目をする胞子葉がまず根茎の中心から直立し、細かく枝分かれした軸に丸薬のような胞子嚢が付きます。その後少し遅れて白色又は淡褐色の綿毛に包まれた栄養を受けもつ栄養葉が渦巻き状で伸び、成長するに従って鮮緑色をした2回羽状複葉となってきます。成長すると綿毛はすっかり脱落して、葉が開き切ると1mほどにまでなります。これら2種類の葉は同じ株に混在して付き、繁殖は胞子だけでなく根茎でも行われ大きな群落になる時もあります。
食用とされるのは栄養葉だけで、巻いた若芽を摘んで、主として葉柄の部分を十分にアク抜きしてから用います。独特の歯ごたえと風味が好まれ、東北地方で特にポピュラーな山菜で、煮物、和え物、浸し物、漬け物、汁の実、天ぷらや佃煮として、また保存用に乾燥したものは水につけて戻し、生のものと同じように利用します。
栄養成分としてはビタミン類、鉄分、カロテンや食物繊維などを豊富に含有しています。
地下部の根茎を乾燥したものが生薬の貫衆(かんじゅう)で、民間薬として利尿、補血に効果があり、貧血、強壮、血圧降下などに煎じて用いられます。また干したゼンマイをみそ汁に入れて催乳作用を目的として食べられることも知られています。
ゼンマイの綿毛を集めておき、よく陽乾させてから蒸しあげたものに、真綿などを混ぜて紡いだ「ゼンマイ布」は秋田地方の山地に伝わる水や虫に強く、保温性もあるものとして知られていました。また綿毛を綿として布団などに使うこともあります。
山菜取りに際しては胞子葉である男ゼンマイは子孫を残して繁殖する役目があり、食べられないので採ってはならないとされています。このように自然保護で自然と共存して山を大切にするという昔の人々の知恵として知られています。