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二階堂先生の「食べ物は薬」
トウガラシ - 香辛料として、野菜として
- トウガラシ
- 学名:Capsicum annuum
- 科名:ナス科
- 英名:red pepper, chile pepper
- 別名:蕃椒(ばんしょう)、唐辛子、高麗胡椒(こうらいこしょう)、南蛮胡椒(なんばんこしょう)
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南米原産で、暖地では多年生低木、日本では1年草の植物です。コロンブスがヨーロッパへタバコと共に持ち帰り、インド、中国を経て、豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に持ち帰ったとされています。
白色又は淡黄緑色の花が下向きに咲き、その後にできる果実は緑色で細長く、内部に空洞があって上向きに付きます。熟すと赤くなりますが、品種によっては形が丸味のあるものや短いもの、色も黄色や紫色のものもあります。
辛味成分は種子が付く胎座と言うところに最も多くあるので、種子そのものには殆ど辛味を感じません。辛味がある品種の鷹の爪(たかのつめ)、八房(やつぶさ)、虎の尾(とらのお)、ナガミトウガラシや伏見などは香辛料(スパイス)として使われます。一方、辛味がほとんど無く、甘味のある品種であるピーマン、パプリカ、獅子唐辛子(ししとうがらし)、万願寺唐辛子(まんがんじとうがらし)などは野菜として用いられます。未熟果実を味噌焼き、揚げ物、煮物に、葉を佃煮、熟した果実を香辛料として朝鮮漬け、韓国料理、ラー油、タバスコソース、柿の種(菓子)など広い用途が知られています。七味(七色)唐辛子は英名のseven spiciesがlucky sevenとの語呂の感じから外国への土産で人気があるものです。
果実は蕃椒(ばんしょう)と呼ばれ、辛味性健胃薬として食欲増進、消化促進、唾液分泌促進などに用います。また、皮膚や粘膜に強い刺激作用を示すので、引赤薬として外科手術、霜焼け、凍傷防止、養毛などに、皮膚刺激薬として神経痛、筋肉痛、リウマチ、腰痛、肩こり、関節炎などにチンキ剤として用います。
成分としては辛味成分のカプサイシノイド[カプサイシン(60-70%)、ジヒドロカプサイシン(30-40%)]、β-カロテン、カプサンチン(色素)、ルテインなどがあります。
特に主成分のカプサイシンには血圧下降、胃酸分泌促進、皮膚体温上昇、抗炎症、発汗、抗酸化、抗菌、脂肪燃焼などの多くの作用が知られています。
その他、防虫、殺菌作用も知られていてお米の保存、書物や人形などの物品保存などにも使われています。