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二階堂先生の「食べ物は薬」

ダイコン - ビタミンCとジアスターゼの宝庫

ダイコン
  • ダイコン
  • 学名:Raphanus sativus var. raphanistroides
  • 科名:アブラナ科
  • 英名:radish
  • 別名:大根(おおね)、スズシロ、ラディッシュ

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ダイコンの葉と花 ダイコン全形 ダイコンの花 ダイコンの角果(上)と断面(種子、下) ダイコン ダイコンの花 ダイコン

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地中海地方原産の2年草で、弥生時代に日本に渡来し、日本、中国で大量に栽培され、多数の品種が知られています。世界最大の桜島ダイコン、世界最長の守口ダイコン、カブに似て球形の、京野菜として知られる聖護院ダイコン、それに辛味ソバの薬味とする、汁が少なく辛いねずみダイコンなどが有名です。

春の七草の一つとしても知られ、スズナの別名があるカブの近縁であることからスズ代(スズシロ)→スズシロ(清白)とも呼ばれています。春に白~淡紅色のアブラナ科に特徴的な十字架状の4弁の花を付けます。

果実は長角果で、中に赤褐色の種子が入っています。地下に垂直に根が伸び、主軸(胚軸)が肥大したものを食用とします。真性の根はヒゲ根の形で両側に1列づつ出ています。食用部分は形状が多様で、外側の皮の色も白以外に赤、緑、紫、黄、黒色などがあります。根を味噌煮、ふろふき大根、なます、刺身のつま、沢庵漬け、糀漬、千枚漬、切り干し、大根下ろしなどとして食用にします。

成分としてはビタミンA・B・Cや鉄、カリウム、消化酵素などがあります。特にビタミンCと消化酵素ジアスターゼは豊富に含まれていますが、もみじおろしにするとニンジン中の酸化酵素によりビタミンCは分解されてしまうため、ビタミンC補給の目的には適しません。「カイワレ」はダイコンの双葉で食欲増進作用があり、また葉も栄養価が高く、味噌汁、炒め物やご飯に炊き込んで使います。乾燥した葉は干葉(ひば)と呼び保存食として貴重なものとされていました。

乾燥した種子は莱服子(らいふくし)と呼ばれ、漢方で健胃、去痰の目的で用いられ、また咳止めや喉の痛みなどにも用います。中国では肥満の薬としても有名です。

根は多量の消化酵素ジアスターゼを含み、でんぷん質の消化を助け、胸やけ、胃酸過多、胃もたれ、二日酔いなどに有効とされますが、胃が冷えやすい胃下垂や、胃拡張の人はナマで食べるのは避け、逆に口内炎の人は生食した方がよいとされます。

その他、民間療法として粉末にした種子を腹痛や咳に使ったり、大根おろしを風邪、麺類の食べ過ぎ、二日酔い、胸やけに用いたり、また肩こり、打ち身、火傷、霜焼けなどに貼ったり、日射病では背中や足裏に塗るなどされます。また蜂蜜に漬けておき、その蜂蜜を熱湯に溶かして咳止めに使うこともよく知られています。葉は干葉にして入浴剤として用いると、体が温まり、痔、神経痛、腰痛、冷え症、婦人病などに有効と言われ、ナマの葉を熱冷ましや虫下しとして使うとも言われています。


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