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二階堂先生の「食べ物は薬」

ダイダイ - 果肉の絞り汁でふけや抜け毛防止

ダイダイ
  • ダイダイ
  • 学名:Citrus aurantium var. daidai
  • 科名:ミカン科
  • 英名:orange, sour orange, bitter orange, seville orange
  • 別名:臭橙(しゅうとう)、回青橙(かいせいとう)

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ダイダイの葉と果実 ダイダイの果実(横断面) 生薬・枳実 ダイダイの花 ダイダイ ダイダイ二年目 ダイダイ サダイダイ

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インドヒマラヤ地方原産で広く温帯各地で栽培され、日本へは中国から渡来し、古くから栽培されています。高さ4~5mの常緑性の小高木で、葉は互生し卵形~卵状披針形をしています。葉は革質で先は尖り、葉縁には小鋸歯があり、葉柄には小さな翼が付いています。枝の断面は三角形をしており無毛で刺があり、寒暖や乾湿にも強い樹で古木も多く見られます。

初夏に爽やかな芳香がする大形の白い花が総状に咲きます。花の上端は半開又は反転しています。冬に果実が緑色から黄色く熟し、いわゆる橙色(ダイダイいろ)になります。果実は球形の液果で、果皮は厚く、外果皮に油点が密に分布しています。日本産は(1)「カブス」(臭橙) Citrus aurantium f. kabusu と(2)「ザダイダイ」(座橙、回青橙) Citrus aurantium var. cyathifera の2品種が有名で、(1)の果実は熟すと黄赤色となり、(2)は橙黄色となりますが、年を越して再び緑色となります。そして再び冬には黄色く着色し、2、3年は果実が落ちずに新旧代々の果実がなることから、子孫繁栄の縁起で昔から正月飾りに使われます。また蔕(へた)の所が肥大して、萼(がく)と合わせて二段(台々→代々)となっていることから名づけられたとする説も有ります。

果肉には苦味はありませんが酸味が強いため、直接生で食べることには適していません。代々酢、代々湯を作って飲み、その果皮を乾燥して七味唐辛子に入れたり、ママレード、ジュース、調味料などにしたり、強い風味があるためポン酢の材料として使われます。また北欧でクリスマスなどに飲むホットワインの「グロッグ」にも用いられます。果肉の絞り汁を地肌に塗り込み、ふけや抜け毛防止にも用います。ちなみに「臭橙」とは風味の良い橙の意味であって、臭は「くさい」と言う意味ではありません。

つぼみ又は開花直後の花は橙花 orange flower と呼ばれ、日本産は香料、橙花油(ネロリ油)、橙花水の原料とされます。橙花油は水蒸気蒸留して得た淡黄色の精油で、香水、化粧水や酒などの香料として用います。また外国産では未熟果や枝葉を水蒸気蒸留して得た精油をオーディコロンやローションの調合に使用したり、アロマテラピーで利用されます。また新鮮な果皮を冷圧して橙皮油、 bitter orange oil などを製造し、飲料や製菓原料、香料、化粧品原料とします。

果皮を四つ割にして乾燥したものが橙皮(とうひ)と言う生薬で、芳香性苦味健胃、鎮静、去痰、解熱薬として食欲不振の際の健胃剤、風邪、車酔いなどに用います。またトウヒシロップ、トウヒチンキや苦味チンキなどの原料としても用いられます。

未熟の果実を二つ割りにして乾燥したものが枳実(きじつ)と言う生薬で、芳香性苦味健胃、去痰、排膿、緩下薬とします。枳実は自律神経系の緊張を抑制して痰を散らす作用、抗アレルギー作用も知られていますが、橙皮を用いるよりも重い状態の時に漢方で理気薬として五積散、四逆散、参蘇飲、大柴胡湯、排膿散などの処方に配合されます。

成分としてはd-リモネンを主成分(90%以上)とする精油、ヘスペリジン、ナリンギンなどのフラボノイド、苦味質のリモニン、多糖類のペクチンやアルカロイドのシネフリンなどが含有されています。このうちエフェドリン類似構造を持ったシネフリンから誘導した「シトラス」が、ダイエット健康食品としてアメリカで使われ、その副作用報告が知られています。


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