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二階堂先生の「食べ物は薬」

チガヤ - 子供のおやつにもなった甘味のある薬草

チガヤ
  • チガヤ
  • 学名:Imperata cylindrica var. koenigii  .
  • 科名: イネ科
  • 英名:cogongrass, alang-alang, Japanese blood grass
  • 別名:チバナ、ツバナ、チ、フシチガヤ、マクサ、マカヤ、ミノガヤ

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チガヤの葉と花穂 チガヤの根茎 チガヤの根茎(拡大) チガヤ花穂(拡大) ツバナ チガヤ チガヤ チガヤ

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日本各地およびアジア、アフリカに分布し、日当たりのよい野原や河原などに群生する多年草です。
 草丈は60cm位で円柱形の茎は直立して早春に成長し、節の所に毛があります。
 春から夏にかけて葉に先立って茎の先に白い光沢のある、長い軟らかい絹毛を密生させた小花を穂状に1個出します。まだ葉鞘内にある若い花穂をツバナ(茅花)と呼び、甘味があり生で食べます。根茎や茎にも甘味があるので、江戸時代にも子供のおやつとして売られていたとも言われています。チガヤは分類学上でサトウキビに比較的近い関係にあるので、葉で合成された糖分が蓄積される性質があると思われます。ツバナには止血作用も知られており、煎じて服用すると鼻血、血尿、喀血などの際に止血時間と凝固時間を短縮する効果があります。
 葉は根元から生え、長さ20~50cm、幅 7~12mmの線形をしており、先端は尖っています。餅やもち米をチガヤの葉で包んで加熱して食べるのが「チマキ」で、東南アジアや中国で広く食べられており、平安時代に日本に伝わったと言われています。
 ひげ根などを取り除いた根茎は白色で細長く、地中を長く横走しています。乾燥した根茎は茅根(ボウコン)と呼ばれる生薬で、利尿、止血を目的として漢方処方や実母散などの家庭薬に配合されます。生薬の成分としてはシリンドリンなどのトリテルペノイド類や蔗糖、ブドウ糖、果糖などの糖類、クエン酸などの有機酸とカリウム塩などが含有されています。
 昔から厄除けの効果が信じられており、6月30日ころにチガヤで輪を作って無病息災を願う「夏越の祓(なつこしのはらえ)」、「茅の輪(ちのわ)くぐり」と言う風習が今でも各地で行われています。
 葉は箱や縄などの製作に、成熟した穂は乾燥して火打石で火をつける時の火口(ほくち)に使われました。家屋の屋根にチガヤの茎葉を乾燥させて葺いた茅葺(かやぶき)の材料としても使われます。これらの他にも家畜の飼料、田畑の肥料、燃料にも使われ、利用価値が高く集落の一定場所を茅場として利用していたことから、現在地名にも残っています。


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