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二階堂先生の「食べ物は薬」
ツルナ - 蔓(ツル)状に群生して、葉が食べられる菜(ナ)
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- ツルナ
- 学名:Tetragonia tetragonioides
- 科名:ハマミズナ科
- 和名:ツルナ
- 英名:New Zealand spinach
- 別名:ハマジシャ、ウミジシャ、ハマナ、イソナ、スナカブリ、ハマホウレンソウ
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日本をはじめ太平洋沿岸にある海岸の砂地に自生する多年生の海浜植物です。全体に多肉質で無毛、高さが20~50cmになる茎はツル状に伸びてひろがり、まばらに分枝して立ち上がってきます。
葉は互生で葉柄があり、卵状の三角形か、菱形をした卵形をしており、表皮細胞がざらざらして細かい粒状をした突起があるので白く光って見えます。
夏から秋にかけて葉腋に黄色い5弁花を開きます。
果実は菱の実に似て、ツノ様の突起があり、中には白い数個の種子が入っています。
夏から秋にかけての新芽を摘んで軽く茹でて、水に晒し、汁の実、浸し物、和え物、天ぷらなどとして食用にされます。栽培が容易にできるので野菜として販売されることもあり、葉にはアクも無いので古くから外国でも各地で食用にされており、スクランブルドエッグ、ポタージュなどの料理に使われています。胃の弱い場合には常食することが勧められています。浜辺に蔓(ツル)状に群生して、葉が食べられる菜(ナ)であることから、ツルナと名づけられたと言われています。
花が咲いている時期に花を付けたままの地上部を採取して乾燥したものが生薬の蕃杏(ばんきょう)です。蕃杏の煎液を胃炎や腸炎には空腹時に服用します。ただし、熱を冷ます作用があるものなので、胃が冷えやすい人や、妊婦には禁忌とされています。粘質物があるので、つき砕いて粉末にしたものを腫れ物に塗布して使うと、腫れを早く引かせて消炎作用を示し、治りを早めるとされています。
有効成分としてはカロチノイドやカロチンなどが知られています。