きぐすり.com は、漢方薬、女性の健康、サプリメント、ハーブの情報を専門家がやさしく解説しています。

二階堂先生の「食べ物は薬」

ツワブキ - フキと同様に食用に、根茎や葉は薬用に、また観賞用に

ツワブキ
  • ツワブキ
  • 学名:Farfugium japonicum
  • 科名:キク科
  • 和名:ツワブキ
  • 英名:leopard plant, green leopard plant
  • 別名:ツワ、ツタンボ、ヤマブキ、ツワッポ、オバコ、蓮蓬草(れんほうそう)、石蕗(いしぶき)、艶蕗(つやぶき)、槖吾(たくご)

関連画像

ツワブキの葉 ツワブキの茎 ツワブキの根茎 ツワブキの花 ツワブキのつぼみ ツワブキ ツワブキ ツワブキ ツワブキ蕾 ツワブキ果実 ツワブキ果実

クリックすると大きな画像でご覧になれます。

日本原産で福島県、福井県より西の本州、四国、九州の暖地の海岸近くに多く野生している常緑の多年草です。花の少ない秋から冬の時期でも葉も美しく、厚くて冬でも枯れないため古くから茶庭などに観賞用に栽培され、多くの園芸品種が知られています。

根茎は太くて堅く、葉は根生して円状の腎臓形をしており、質は厚く、表面は深緑色で光沢があります。若い時には葉柄と共に薄茶色の長い毛がありますが、成長につれて無毛となります。この葉がフキによく似ていて艶があることから艶葉蕗(つやはぶき)がツワブキと呼ばれるようになったと言われます。

初冬に長さ30~70cmほどの花茎を伸ばし、先端はよく分枝し明るい黄色の頭状花を散房花序として咲かせます。外側に一列になった橙黄色の舌状花と、内側にたくさんの管状花が見られます。舌状花は未熟の雌しべだけで果実は出来ませんが、管状花には花後に果実ができます。

葉が開く前で、まだ産毛に覆われている若い葉柄をフキと同じように皮をむいてから煮て、しっかりとアク抜きをしてから食用にします。アク抜きは肝臓や肺に顕著な毒性を示す水溶性のピロリジンアルカロイドを除くために必要です。煮つけ、キャラブキ、天ぷら、甘酢漬け、あんかけ、和え物などにして食べます。

生の茎や葉を火に焙ってから揉んで柔らかくしてから患部に貼って腫れ物、打ち身、火傷、霜焼け、毒虫刺され、漆かぶれなどに用いられます。生の葉茎の搾り汁や煎じ汁を飲んでフグやカツオなどによる魚類中毒、食中り、歯痛、乳汁不足などに用いますが、後で吐き気を催すこともあるので注意が必要です。根茎を乾燥させたものが生薬の槖吾で催吐、排膿などの目的で使われます。これを煎じて魚毒の中毒に、また生薬のガジュツと一緒に胃腸薬として用います。

成分としては根茎にはジメチルアクリル酸、ピロリジンアルカロイドのセンキルキンや精油が含有され、葉には多量の2-hexanalが含有され、青葉臭の成因であると同時に強い抗菌作用があることから外用による葉の効果に関係があると言われています。

九州西部にはオオツワブキ、種子島や屋久島にはカンツワブキといった変種が知られています。

緑葉を用いて媒染剤を使っての種々の色に染められることも知られています。


きぐすり的レシピ集でレシピを探す
あなたの食生活をチェックしてみましょう!
50音別で食材を選んでみましょう。

TOP