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二階堂先生の「食べ物は薬」

ナシ - 暑気あたり、喉の渇きには甘く、多汁な果実を

ナシ
  • ナシ
  • 学名:Pyrus serotina
  • 科名:バラ科
  • 英名:sand pear
  • 別名:梨

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ナシの蕾と花 ナシの果実と葉 ナシの果実の断面 ナシ

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中国原産で日本、中国、韓国などの南部高温多湿な地域に野生する野生種のヤマナシPyrus pyrifoliaを原種として我が国各地に栽培されている果樹で、和ナシ又は日本ナシとも呼ばれています。

15メートルほどの高さに達する落葉性高木で、葉は卵形で先端が尖り、辺縁は細い針状の鋸歯を有し、互生しています。

春の終り頃に短枝の先に長い花柄を有する白色5弁で卵形の花を5-10個、総状花序に付けます。

秋に黄褐色~黄緑色のリンゴ様、球形の果実がなり、果皮の表面には円形の皮目が見られ、果皮が黄褐色のものを赤梨、黄緑色の青梨と呼び、共に食用とされます。

果肉は白色で、甘く果汁が豊富で、カキやリンゴと同様に花柄の付いていたのと反対の方が甘味が強く、これに対して芯の部分は強い酸味があるため美味しくありません。

果肉には多数の石細胞があり、シャリシャリとした独特の食感を特徴としています。この石細胞はリグニンやペントザンなどからなるもので、ラ・フランスやル・レクチェなどのセイヨウナシPyrus communis(英名pear)にはその含量が少ないので食感に大きな違いが見られます。

日本の野生種から多数の品種が作られており、多くは赤梨系で幸水、豊水、南水の三水と新高の4品種で収穫量の90%近くになっています。青梨系は二十世紀が代表的品種です。栽培は沖縄以外の日本各地で行われていますが、収穫量では千葉県が第1位で、茨城、鳥取、福島、長野、栃木の順が知られています。

果実は甘くて、多汁なので夏の果物として、口や喉の渇きをいやすため、主として生食で食用とされます。シロップ漬けは他の果物とのミックスフルーツとされています。その他、清涼飲料水、ゼリー、タルトなど洋菓子に使われたり、ワイン、ブランデーなどの加工品とされています。生の状態ではタンパク質分解酵素(プロテアーゼ)を持っているので、焼肉やプルコギなどの漬け込むときのタレに利用することもあります。

成分としては果実にはショ糖、果糖、ソルビトール、ブドウ糖からなる糖分が11~14%、リンゴ酸やクエン酸などの有機酸が含有されています。ビタミンは少ないが、食物繊維、カリウム、アスパラギン酸などが含まれています。葉には和ナシだけでなく、西洋ナシなどのPyrus属植物にはいずれもタンニンやアルプチンが含有されています。

果実は清涼止渇薬として、また葉は尿路防腐作用のある収斂利尿薬としてウワウルシ葉の代用品として使うことができます。また葉を煎じて咳、扁桃腺、口中の腫れ、声かすれなどに煎液でうがいをして用いられます。湿疹、かぶれなどには煎液を冷やしてから患部の皮膚に塗布して使います。さらに浴湯料として使えば、血行を改善して保温、肌荒れ、あせもなどによいと言われています。風邪や扁桃腺炎などで熱があり喉が痛い時には、ジュースにして飲むと効果があります。暑気あたりなどで喉が渇いた時にも良いものです。但し胃が冷えて下痢の時、産後、冷え性の人は多食しないことが必要です。


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