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二階堂先生の「食べ物は薬」

ナタマメ - 大型の鞘は排膿の妙薬

ナタマメ
  • ナタマメ
  • 学名:Canavalia gladiata
  • 科名:マメ科
  • 和名:ナタマメ
  • 英名:sword bean
  • 別名:帯刀(タテワキ)、刀豆(トウズ、タチマメ)、鉈豆(ナタマメ)

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ナタマメの葉と花 ナタマメの果実 ナタマメの果実断面 ナタマメの種子 ナタマメの花 ナタマメの花 ナタマメの果実 ナタマメの果実 ナタマメ

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熱帯アジアの原産とされ、日本へは江戸時代初めに中国から伝わり、高温が必要とされ、栽培期間が比較的長く必要なため中部以南地方の暖地で作られ、特に九州・薩摩地方で盛んに作られました。

茎は1年生のつる性で毛がなく、長く伸び、葉は長い葉柄のある大型の3出複葉をしています。

夏に淡紅色で蝶形をした大きな花を総状花序として咲かせます。

その後、長さが約30cm、幅が約5cmの非常に大きな鞘の果実をつけ、上縁に3つの稜線が見られます。別名の帯刀はこの鞘の形に由来すると言われ、また鞘が大きく硬いので鉈を思わせることから鉈豆とも言われています。鞘の中には長さが3cmほどの淡紅色をした種子が10~14粒入っており、種子が白いものはシロナタマメ(白刀豆、ハクトウズ)と呼ばれています。

一般に食用とされる種類は種子が淡紅色のアカナタマメと、白色のシロナタマメとで若い鞘を輪切りにして野菜として浸し物、漬物、汁の実などにしたり、福神漬けに入れたり、また炒ってコーヒーの代用や腎機能の衰えを改善するために健康茶にして利用されています。乾燥した茎、葉や実を粉末にしたものを温湯でといて歯茎に塗って口臭改善、歯肉炎や歯周炎などに使われます。ただし、生の豆や加熱不十分な豆は腹痛、嘔吐、下痢などを起こすおそれがあるので食べないように注意する必要があります。

台湾、中国南部や東南アジアなどに分布している、つる性の大形の多年草であるタカナタマメやタチナタマメにはコンカナバリン Aやカナバリンなどの有毒成分が含まれているので注意が必要です。

中国の「本草綱目」にもその薬効が記載されており、白刀豆(種子)を煎じて蓄膿や痔ろうの際の排膿や咳、病後の体力回復、血行促進や免疫向上の目的で使われ、昔から排膿の妙薬とも言われています。


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