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二階堂先生の「食べ物は薬」

ナツメヤシ - 果物の中で最も甘いと言われ、用途の広い重要なヤシ

ナツメヤシ
  • ナツメヤシ
  • 学名:Phoenix dactylifera
  • 科名:ヤシ科
  • 和名:ナツメヤシ
  • 英名:date palm, medjool
  • 別名:棗椰子

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ナツメヤシの葉 ナツメヤシの果実 ナツメヤシの種子 ナツメヤシ ナツメヤシ ナツメヤシ

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原産地を確認するのは難しいとされていますが、古い文書や伝説などからチグリス・ユーフラテス流域の原産とされており、その地域に大量に生育していることが知られています。亜熱帯で重要なヤシとして知られている、非常に古くから栽培されている常緑高木です。

樹高は約30mにもなりますが、栽培農園では手入れや受粉作業、それに果実の収穫が難しくなるため約15mの高さで植え替えています。幹は単独で伸長しますが、時には基部から数本が生えて群生します。

葉は灰色をして、長さは約3mにもなる羽状複葉で葉柄に棘が見られます。葉は斜め上向きに開いて30cmほどの長さの小葉が冠状になって付きます。

花は雌雄異株で葉腋に房状に付きます。自然界では風媒花なので自然に果実が付きますが、栽培では人工授粉が行われ、その技術は古代から知られていたとされており、雄花の房のようなものを雌花の房の上で振りまく状態がアッシリアの彫刻に見られます。

果実は大きな房状になって、長さ2~3cmの円筒形をした核果で、中には1個だけ種子が入っています。未熟果は緑色ですが熟してくると黄色または赤くなってきますが完全に熟すには6か月以上を要します。

果肉は柔らかくて甘く、果物の中で最も甘いと言われるほどで生食にしたり、ジャムやゼリーなどの原料に、また発酵させて酒を造ったりときわめて用途が広いものです。未熟果を揚げ物にして食べることもあります。乾燥して貯蔵されたものは長期保存も可能でデーツ(dates)と呼ばれ、古くから重要な食物とされてきました。欧米では砂糖の代替品として注目され、日本でも健康指向での消費が増えています。

成分としてはフルクトース、グルコース、スクロースなどの糖分やタンニン、脂肪などが知られており、緩和栄養剤としても用いられます。

果実から抜き取られた種子はラクダの飼料とされたり、種子油を石鹸や化粧品原料に、また細工物としてネックレスなどのアクセサリーにも利用されています。

葉は屋根ふきに用いたり、帽子、編み物、敷物、布、籠、団扇などに加工されたり、キリスト教の「棕櫚の主日」の祭事用などに用いられます。

幹は建築用の建材や燃料として用いられます。


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