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二階堂先生の「食べ物は薬」
ハス(レンコン)- ノンカフェインのダイエット茶
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- ハス
- 学名:Nelumbo nucifera
- 科名:スイレン科
- 英名:indian lotus
- 別名:蓮、荷、芙蓉、不語仙、浮葉、露堪草(つゆたえぐさ)、露玉草、池見草
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世界各地の池沼、湿地などに生え、日本でも栽培される水性の多年草です。日当たりの良い水田や浅い沼で表土の深い肥沃な所でよく育ちます。泥中に長く肥大、分枝した地下茎があり、中に数本の空洞が見られます。
上面に毛を密生した葉は長い葉柄を伸ばして水上に浮かび、夏に水上に白色~淡紅色の直径12~20cmにもなる花を早朝に咲かせ、昼には閉じてしまいます。
果実の皮は非常に厚く、土中で発芽能力を長く保持するため2,000年前の大賀ハス、中尊寺ハス、行田ハスなどの発芽例が知られています。
花托の形が蜂の巣に似ていることから「ハス」の名前が付けられたと言われています。
蓮の葉商い、蓮葉女など我が国ではあまり良い意味で使われていませんが、蓮女は古代インドでは最高に素晴らしい女性のことを指し、日本で吉祥天女の名で知られる神とされています。
地下茎の蓮根を煮物、甘煮、油炒め、揚げ物、酢漬、五目寿司の具などに使います。又デンプンをとり、餅や団子を作ったり、水で軟らかくしてアクを除いた種子を粥に炊き込んだり、野菜と炒めたり、煮物に、又甘く煮てデザートなどにします。
葉を蒸して、塩を加え軟らかくして刻み、炊きたてのご飯に混ぜた蓮葉飯、蓮飯は供物や地方の名物として、また葉を刻んで加熱乾燥して作ったハスの葉茶は、ノンカフェインのダイエット茶として知られています。
葉を乾燥したものは荷葉(かよう)と言い止瀉(ししゃ)、止血薬とし、根茎を乾燥したものは蓮根(れんこん)と呼ばれ咳止めに使われます。
果実を乾燥したものを蓮実(れんじつ)と言い強壮薬、婦人薬とし、成熟果実の果皮を剥いで採取、乾燥した種子は蓮肉(れんにく)、蓮子(れんし)と言い漢方処方の清心蓮子飲(せいしんれんしいん)や参苓白朮散(じんれいびゃくじゅつさん)などに配合され、強壮、止瀉、鎮静、健胃薬として多夢、精力減退、心臓衰弱、食欲不振、下痢、脚気などに用います。